第31話
まずダンジョンに入って、視聴者の人々に約束した、ワールドカップの配信を始める。
「ちぃーっす。世界大会の配信! コメント拾えないけど、よろしくな!?」
『キタコレ』
『まじで配信キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』
『ありがとう……!』
『勝ったら全裸で走る【上裸ニキ】』
『……お亡くなりおめ』
『はよ豚箱行け』
配信のコメント欄はざわついているのだろうか。今日の俺はイヤホンをつけていないからわからない。
それに、別に相手がどんなダンジョンであったとしても、俺達のやることは変わらない。
事前に星斗さんとも話しておいたんだ。
『俺が配信でやってるみたいなダンジョンの壁破壊作戦でいきましょう』
って。
なぁ。四強に勝つにはどうすればいいと思う? あんなに圧がすごい、強大な人たちに、勝つためには。
そう。俺の得意な戦法で、なおかつ相手が絶対に知らないであろう戦法を使えばいいんだ。
「星斗さん!! 行きますよ!」
「おうよ!!」
「――氷柱」
有名になったあとの初配信のときとおんなじように。みんなの度肝を抜いたあの時と同じように。
ダンジョンの壁の厚さが違うだけ。そんなんで壊せないほどに俺の魔法は軟弱じゃないはずだ。
さぁ! 行け!
俺の『氷柱』はダンジョンの下の方へ放たれ、ダンジョンの床を破壊する。
それを見ていた周りの代表者たちは、正規のルートで行くことを一度やめ、俺達の方を凝視している。
『なんだ!? あれは』
『氷柱……か?』
『あれで壁を壊すなど前代未聞ではないか!』
と言っていそうな顔をしている。
そうこうしているうちに、完全に壁の破壊がすんだみたいだ。
「星斗さん! 終わりましたよ!」
「じゃあー! おっさきー!」
そして第二の作戦である――敵さん全員通せんぼ作戦に出る。
その名の通り、まず星斗さんには一足先に深層――ラスボスがいると思われる――に入ってもらう。
けどそのときに俺も一緒に中にはいってしまうと、他のライバルの人たちも俺達に続いてきてしまうから、それだと俺達の優位性がなくなってしまうよな。
ということで――
『
氷壁とは。その名の通り氷の壁を作る技だ。難易度的には……まぁオレからしたら簡単だよな。
そして広い範囲に壁を建てることができるのだ。そうだな、それこそ敵から時間を稼ぎたいときとかにはよく使う。
そしてこの技で、他の人達を門前払いしてしまおう。
幸いなことに、出だしはみんな慎重を期していたのか、俺達はだいぶ早くにダンジョン内に入ることができている。
ということは、これでライバルががくんと減るはずだ。
「じゃあな! これで俺達の勝ちが近づくぜ!」
『うおお!』
『日本……今年は行けるのか!?』
『だって氷の王子がいるから!』
『流石だ!』
『行けるぞ! 大多数を閉じ込めた!』
『氷溶けるの時間かかるだろうし! これはゆっくり行けば勝てるのでは!?』
『氷の王子……すゅき【ガチホモニキ】』
『皆勤賞だな』
俺は竜巻を使って床に着地。すぐさま星斗さんと合流する。
事前に説明されてるんだよ。このダンジョンは、深層に入ればすぐにボスが見つかるでしょうって。
そして――
「よぉ、エンシェントドラゴン・改。お前を倒せば、俺達の優勝なんだってな?」
ボスにて待ち構えるは、エンシェントドラゴンの進化形。つまりリックウザの上位互換である、エンシェントドラゴン・改だ。
『うおお……』
『リックウザに似てね?』
『いや多分これ……ボスだけででてくるエンシェントドラゴン・改だぞ』
『とんでもねぇ』
『氷の王子……勝てるのか?』
『ちなみにだが。前回の大会では5ペア同時に戦ってようやく倒せたらしい。現4強のうちの1つ、中国代表の
リックウザ、雫さんに預けてきておいて良かった。もし連れてきてたら……死んでただろうな。
「星斗さん。行きましょうか」
「おうよ! まずは俺が焔で牽制すればいいんだよな……?」
「はい。そこを俺が――」
『のう、生意気な日本人共。四強をハブるとはいい度胸だなぁ!?』
世界の四強はハブられない。
後ろを振り向けば、四強、勢揃い――
______
https://kakuyomu.jp/works/16817330666390045497
『前世、ガリ勉の転生貴族が報われるまで努力を続けたら?〜何でも人よりできない俺、努力で何でも一番を目指します〜』
異世界ファンタジーです! 面白いです!
懲りずに新作あげる馬鹿な如月を笑ってください。
伸びたら連載するので伸ばしていただくと嬉しいです。
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