第30話
メリーメアリーコンビが熟女――かもしれないという噂を聞いたあとは特になにも衝撃的な出来事はなく。
ただ北海道の美味しいご飯を食べまくっていたら前夜祭が終わっていた。
そして、夜には雫さんからの電凸を受けてちょっと話してすぐに寝たんだよ。だって明日は本番だから。
勝たないと――首相にもそう言われたし。そもそも勝負って勝たないと意味がない――とまでは言わないけど、勝ったほうが楽しいじゃん?
四強、あの人たちの威圧感はハンパじゃなかったけど。それに勝ってこその俺――氷の王子だよな。
さぁ。勝ってやろうじゃあないか。そして、この氷の王子という異名を世界に轟かそう――
______
翌朝。昨日は熟睡して、今日は早起き。なんと6時半に起きたんだぜ? ちなみに集合は10時だ。
え? なんでそんなに早く起きたのかって? いや……だって一番に会場に着きたいじゃん? って考えの元星斗さんを起こしに行ったら怒られたけど。
流石に8時は早すぎたな。ってことで一人で会場待機中。
すると、続々と人が集まってくる。すごい。世界って200カ国くらいあるはずだけど、ちゃんと400人くらいの人だ。
その中にはやはりと言うべきか、メリーメアリーコンビもしっかりと最前列を陣取っていた。
その周りには空間が――というわけではなく、他に3組の出場者さんが。
仲良さそうに――うん、若干殺気があるけど、仲良さそうに話してる時点であの人たちも四強なんだろう。
ってことは。俺のライバルってことだよね。この人たちよりも先にボスをたおさなきゃいけないんだよな。
緊張してきた。ほんとに。怖いなぁ。だって中のダンジョンの構造がわかってないんだぞ?
ってことはさ。もしかしたら初見殺しのギミックがあって――いや、流石に全世界の代表を殺すような真似はしないだろうけども。
それにさ。そういうギミックがあって、それをつぶしてこそのダンジョン攻略だよな。
よっしゃ。やる気出てきたー!! ……あれ、あと5分くらいで試合始まるじゃんか。星斗さん!?
「あ、廉也。お待たせ」
よかったー。まぁまぁ流石に時間に間に合わないなんてことはないよね。流石に流石に。
「あー。あと1時間くらい始まるまであるよな? ちょっと休憩するかぁ……」
っておい! 星斗さん。あなたはそんなにポンコツさんだったんですか?
「なに言ってるんですか? あと5分で始まりますけど?」
「はぁっ!? なんだって!? ……まぁいいや。これくらい」
「……ならいいですけど」
いや。よくないのかもしれないけどさぁ。いい感じに星斗さんが体を張っていい感じに緊張をほぐしてくれた。
これで――これで、四強の人々にも食らいつけるような精神状態になったはず。
俺はその後もまわりを見渡して、ライバルとなりそうな人を探す。
そんなこんなで、ついに始まることになる。運営の人が、俺達に向かって話しかけてきた。
『皆さん! ただいまより、第5回ダンジョンワールドカップを開催いたします!』
「「「「「「うおおお!!」」」」」」
みんな盛り上がってるな。俺も、星斗さんも、そのうちの1人だ。四強の人々も、心なしか興奮しているようだ。
『準備はいいですか!? 5!』
この世界大会は、まずは日本を代表しているということを胸に。
『4!』
次に、俺のここ最近で急激に増えたファンの人たちのために。
ちなみに、配信をすることは許可されているから、俺ももちろん配信をする。まぁ、一段落してからだけど。
『3!』
その次に、俺と一番仲がいいであろう雫さんのために。かっこいいところを見せるために。
『2!』
そして、四強の人々に勝って世界一になるために。星斗さんも強いし。行ける。
『1!』
最後に――遥のために。
『スタート!!!』
橘廉也と霜月星斗の日本代表、いざワールドカップへ挑む。
さぁ。俺達の戦いはこれからだ!
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俺達の戦いはこれからだ!()
https://kakuyomu.jp/works/16817330661892114822
『もしクラスで一番かわいい女の子と偽カップルになったなら?〜物理的距離、ほぼ夫婦、身体的距離――まで縮めて来るなぁ!!〜』
ということで(?)新作を投稿してます。
ラブコメ。イチャイチャ。甘々。偽カップル。
どうか読んでみてください。絶賛苦戦中なのでランキングを上がるためには皆様のお力が……
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