第28話
ダンジョンワールドカップ。それは、世界各国から腕自慢の探索者が集まる国際的な大会。
今までに4回、つまり四年に一回のペースで開催されてきた。
そして、優勝者は、国際的なダンジョン踏破団体へと入ることになる。名前は――忘れた。
まぁいい。そして、その優勝者たちは、今回の大会にも出るらしい。
『四強』との異名が付けられたペア。アメリカ代表、中国代表、イギリス代表、トンガ代表。
トンガ代表は、国を挙げての支援の勢いがものすごいらしく、なんとまぁ……、応援団なんていうものまで来ている。
そう、高ランク探索者がいる=国際的に地位が高い、ということになるから、あんなに小さな島国であるトンガも、現在は国際的に一目置かれている。
そして、今回のワールドカップは日本開催。なぜだ。なんで今回日本なんだ。って思ってたんだけど、どうやらGDPの順番に開催地が決まっていくらしい。
日本って四強がいる国についで5位だもんな。どおりで今回開催地になるわけか。
ということで、今回の開催地、自然が広がる北海道にあるダンジョン、『帯広ダンジョン』に来ている。とはいってもまだ前日なので前夜祭が行われているホテルに居るのだが。
ちなみに帯広ダンジョンの最奥ではCランクのモンスターが出てくるみたい。腕がなるぜ!
「あー、星斗さん。こんなに人多いんですか?」
「まぁな。だって100カ国くらいから代表が来てるわけだぜ? 200人だよ。それに係の人とかもいるから……前回もおんなじくらいだったしな」
なるほど。ここには代表者が勢揃いしてるってことか。
それなら一回くらい四強と言われる人々を見てみたくはあるな。
言葉は通じないだろうけど、オーラみたいな? 気になるからな。
「そういえば、四強の人たちはどこにいるんですかね?」
「うーんわかんねぇな。なんせ、四強は別格って言われてるから。俺前回のときも結局話してないしな」
「ありがとうございます! 探してきます!」
「……あ、おい!!」
なんか星斗さんが焦ったような声を出していたが気にしない。
俺はあってみたいんだ。通訳さんもいるんだろ? 大丈夫大丈夫どうにかなーるさ。
ということで、会場を歩き回る。まぁ美味しそうな料理がいっぱいある。
寿司であったり、刺し身であったり、肉であったり。みんな美味しそうに食べてる。
いいね、日本の食文化を海外に伝えるっていうのは大切だ。
そして、少し歩いていたら、なんか人が全然いないところが見つかった。
なんかそこだけ周りの人が避けているみたいな。あれ、これまさか――
『何様だ?』
「えっ、あ――あの」
やっべ。強面の人が俺に話しかけてきた。いや、正確に言えば通訳さんなんだろうけど。
その隣には、女性の二人組がいる。なんかまとっている雰囲気が違う、まるで――
『お前、四強じゃないなら失せろと。メリーさんとメアリーさんがおっしゃっているのですが』
――やっぱり四強だったか。
「いえ、俺は四強の方々にあってみたくて来たのです」
そう言うと、通訳さんはメリーメアリーコンビと何か話をしている。
『……わかりました。しかし、私達の気に障ることを言えばただじゃ済ませないと』
「わかりました」
四強VS今大会のダークホース、遭遇――。
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