第18話 誰かに追いかけられてる?
『笑笑笑笑笑笑』
『おいぃ!!』
『やっぱり怖かったのかよ笑笑笑笑』
『草ぁ!!』
『私、またまた救われる【赤スパネキ】』
『赤スパネキさんって運いいよな【上裸ニキ】』
『上裸ニキみてたのか!!【ガチホモニキ】』
『俺は元気です【上裸ニキ】』
『ニキネキばっかで地獄笑笑笑笑』
『キャラが濃いんよ笑笑笑笑』
「いや怖かったですよぉ!!! だってジェットコースターより回ってたじゃないですか!」
『それはそう』
『それにリックウザ、早いしな』
『怖い』
『まぁね』
「だから仕方ない!仕方ないんです! あーつかれましたね! あとリックウザにのってゆっくりこのダンジョン移動しましょうか!」
『なるほど、のほほんタイムか』
『ゆる~く行くのね?』
『それもあり』
『いいよね、ほのぼの』
『ただし絵面はほのぼのしなそうな模様』
いいよね、ほのぼのするの。俺老後は犬のお腹吸いながら生きていきたいもん。
犬って癒やし効果があるよな、分かるか?めちゃめちゃ可愛いから。
……というか! だれだよほのぼのしなそうとか書いてるやつ! ほのぼのさせてやるよ!
「じゃあ乗りますんで!ここからは雑談配信みたいに思ってくれたら」
そう言って、俺はもう一度リックウザの背中に乗る。
「リックウザ、今度はゆっくり飛んでくれるか?」
[きゅん!!]
リックウザは今まで通りの可愛い声で俺に返事をして、ちゃんとゆっくり飛び立ってくれた。
あーちょうどいい。いいペースで飛んでくれてる。風が心地良いな。
『なんか気持ちよさそう』
『さらさらの髪の毛が笑笑』
『オールバックやん!』
『定期定期的に』
『リックウザかわよ』
『おーい!!!ちゃんとやろうぜ!!』
「気持ちいいですよ!! サイコー!!」
『いいなぁ。俺も乗りたい』
『けど低ランクキャラでテイムできるキャラはいるのか?』
『……コカトリス』
『あいつは飛べねぇだろ笑笑』
やっぱりみんな空を飛んでみたいって思ってるんだよな。
そんな夢を俺は今叶えてるんだから、幸せ者なのかもしれない。
なんて思ってたんだけどさ、なーんか変な感じがするんだよな。
音がする。後ろから。俺が飛んでる道をそのまんま辿ってきてるような、そんな音。
「ねぇみなさん? なんか、後ろから人が迫ってきてるみたいな音がするんですけど、こういうときってどうすればいいんですかね?」
『え?ストーカー?』
『こわ』
『けどリックウザにもっと早く飛んでもらえれば…?【ガチホモニキ】』
「ガチホモニキさん、……俺怖いって言ったよね??」
『草』
『笑笑笑笑笑笑』
『怖いけど回ってたじゃん』
『けどその後の顔がね…笑笑』
『よっ!【氷の幼児】』
なんとまぁ俺をいじるコメントが増えてきているけど、その間も確実にヒタヒタ足音が近づいて来ている。
うーん? この足音は。女の人かな? 歩幅が狭めだし……。
なんだろ? 俺のストーカーなのかな? 嫌だなぁ……。昨日レイアさんの配信で家バレしたのか?
いやまぁいいや。追いつかれたら追いつかれたで問い詰めればい……「コツコツコツコツ」
いややっぱ怖いわ。逃げる!
「やっぱり怖い! リックウザ!! ちょっとスピード上げてくれ!!」
[くぅ〜ん!!ガウー!!]
『やっぱ怖いよな』
『結局スピードあげるんかーい!』
『どっちみち怖い説』
『それはそう』
『けどストーカーってことはわんちゃん家割れてる説ある』
『たしかにそれはそう』
『えっじゃあ悪質じゃね…??』
リックウザはスピードを少し上げてくれたけど、それに対応してストーカーもスピードをあげている。
もっとスピードを上げて逃げたい! けど怖い! ストーカーも怖い! どうしよう!!
『あっちょいまち』
『俺等も足音聞こえるかも』
『なんかコツコツ言ってる』
『こいつ?……いや早くね? だいぶレベル高い探索者なのでは?』
なんかみんなもこの足音聞こえてるって言い始めてるし……!!
けどあれかな、もう覚悟決めてストーカーさんと対面したほうがいいのかも。
だってこのダンジョン内だし。まぁここがEランクダンジョンってことはそこまで強くないはずだし!
「えーみなさん、俺はストーカーと対面することにしました。それでストーカー行為をやめてもらおうと思います」
『まじ!?』
『【氷の王子】が乗り物系怖くなかったら早くできて逃げれてたのになぁ……』
『まぁそればっかりは仕方ないか』
『……死ぬなよ!?【ガチホモニキ】』
『耐えてくれー!!【上裸ニキ】』
『なんかあったら逃げてね!?【赤スパネキ】』
『……なんか危機感一気になくなって草』
「笑笑 いやニキネキさんたちは俺のことを心配してくれてるんですよ…!! では! だんだん速度を落としていきますね! どんな人かみといてください!! リックウザ! ちょっとゆっくりなってくれるか?」
[くぅ!!]
『うい』
『りょーかい』
『俺たちのことをわかってくれてるんだな…! 感動だよ【ガチホモニキ】』
『ありがとう』
『↑いやお前ニキネキじゃねぇじゃん笑』
ということで飛んでいる速度はだんだんと落ちていき、徒歩ぐらいのスピードになった。
そして、足音はもう明確に確認できるくらいにまで大きくなってきた。
さぁ、だれなんだろうな!お顔を拝見っと…!!
……えっあなたは――!
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