第17話 【氷の王子】、【氷の幼児】になる

 というとでも思ったか?俺は今、振り落とされない方法を思いついたんだ。


 時間がないから手短に!?行くぞ!


「『――氷結』」


 そう、俺が考え出したのは氷魔法を使うこと。自分で自分の手とリックウザを凍らせてくっつければいいんだよな!


 リックウザは少し冷たいって思うかもしれないけど、そこは我慢してもらって。


 ちゃんと凍ってリックウザとくっついたことを確認してから、みんなに話す。


「おお!みなさん!乗れてますよー!!」



『おおおおぉぉ……、』

『興奮してるとこ悪いけど、今何した?』

『いやなんか魔法自分に向けて撃ってなかった?』

『なに?気でも狂ったの!?辞めてくれ!?【ガチホモニキ】』

『こういうときに一番心配してるからガチホモニキはいいやつなんだよなぁ……』

『……あざーす【ガチホモニキ】』

『照れんな笑笑』



 ……あ、まぁ流石に自分と自分の相棒に魔法撃ったら変に思われるよな。


 説明説明っと……。


「気は狂ってないですよ! あのですね、俺、リックウザから落ちそうだったんですよね? んで、落ちないために《氷結》使って無理やりリックウザとくっつけたってわけです」



『なるほど!』

『瞬時に良くそれが思いつくな』

『頭よい』

『さすが』



「ってことで今ちゃんと飛んでますけど……

 早くね? リックウザ君」



『それ思った』

『なんか線になってるもん』

『映像の光が線になってる』

『いやそれ音速レベル…?』

『流石にないだろ笑笑』

『そういえばレイアどこ行った』

『用事だろ』

『用事、ヒントはさっきの声』

『なる程…?』

『それはもう用事じゃなくてただのコトだろ』

『笑笑笑笑笑笑笑笑』



 そういえばレイアさん、どこ行ったんだろう。俺がだれにも見つけられてなかったときはずーっと俺の配信見てくれてたのに。


 俺が見つけられてからは俺の配信ずーっと見ることがなくなったよな? まぁ用事だと思ってるけど。さすがにコトではないはず…。


 まさか自分の役割を果たしたとか思ってるんじゃないよな? 俺はレイアさんを待ってるから。


「さてみなさん! リックウザになにかしてみてほしいことはありますか??」



『えー』

『振り落としてほしい(?)』

『お前やめれ』

『俺も【氷の王子】と一緒に乗りたい!【ガチホモニキ】』

『ムリだろ笑笑笑笑』

『俺は氷の王子に乗りたい!【下心ニキ】』

『……新種登場』

『いらねぇんだが!?』

『まぁ現実的なものを言うとするなら一回転してみてほしい』

『あー今ちょうど固まってるしな』



「え? いやそれは俺が怖いんですけど……」



『ダンジョンの壁壊してる人が何を言う』

『それなすぎる』 

『【氷の王子】に怖いことなんて無いだろ?』

『だろ?』



「なぁ俺やっぱり人外って思われてね? 怖いものは怖いから! 遊園地のジェットコースターとか苦手!!」



『おこちゃま』

『【氷の王子】、ろくちゃい』

『【氷の王子】じゃなくて【氷の幼児】ってか?【ガチホモニキ】』

『……』

『退場できるかい?ガチホモニキ』

『やめてなんでこんなに滑ってるの【ガチホモニキ】』



「俺は幼児じゃないからな、ガチホモニキ。まぁそれはそれとしてさ、一回転……。リックウザ、できる?」


[きゅんきゅんがうー!!]


「はい、できるらしいです」



『いまののどこに判断要素があった』

『おいこらどういうことだ』

『なんでわかってるんだよ笑笑笑笑』

『まぁできるならええか』

『やってみてくれー!!』


『これで【氷の王子】が怖がらなかったら赤スパ50回。【赤スパネキ】』


『い つ も の』

『↑居酒屋じゃねぇか笑笑』



 いやまた赤スパネキ来てるじゃん! さっき危ない目みたよね? え? マゾ??


 まぁ……スパチャくれるならええか。よし、怖がらないように頑張るぞー!!!


「よーしじゃあリックウザ! 一回転してく――わっ!?」


 こいつ…!!俺がいい切る前に回り始めやがった…!!


 くそ…!!準備できてねぇじゃん…!怖い怖い怖い怖いよ……


 いやちょっと待って!?そんなさ、[きゅんきゅん]ってめちゃめちゃ可愛い声で鳴きながら楽しそうに飛ばないで!?


 俺めっちゃ怖いんだからな? あー!目が回るぅぅ…!!



『笑笑笑笑』

『一回転ってどこいったよ』

『5回転はしてて草』

『なんやねんそれ笑笑』

『なんでそんなに回ってんだよ笑笑』



 なんていうコメントを耳にしながら、俺はただひたすらにリックウザが回り終わるのを待った。


 そして何分経っただろうか……。ついに、ついにその時が!


 リックウザはどこからともなく回るのをやめて、ようやく地面についてくれた!


「リックウザ…!!一回転って言っただろ…!」



『草』

『草』

『草』

『信頼関係、なかったな』

『というかやめてって言えばよかったじゃん』



「………たしかにそうですね」



『いや流石に草』

『笑わせにくんな笑笑』

『草ぁ…!!』



 いやその発想はなかったなぁ…! たしかに言えばよかったじゃん! 恐怖に支配されてた…!


「みなさん、これだけは言わせてください!

 ――めちゃめちゃ怖かったよぉ…!!!」







_______







幼児化したレンくんも悪くない説あります((



俺はこの作品でジャンル別週間ランキング10位以内を目指してます!


とても高い壁だし、身の程を知れ!! って声もあるかもしれませんが!!


それでも!! 目指してみたいのです!


それには、皆様のフォロー、星、応援が不可欠です!! 切実に、どうか、よろしくお願いいたします……


どうかよろしくお願いいたします!

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