第14話 独立4!

「会社が破産したって言われても…」


「まあ、正確には民事再生の手続きが始まったってことね。俺もさっき出勤した時に知らされたよ。俺ってさ、一応経営コンサルの意味でもいるんだけど、今回のことに関しては本当に寝耳に水。びっくりを通り越してもう何が何だか分からないよね…」


いつもはインテリヤクザなんじゃないかと思うほど強面で、少し怖いがとても頼りなる上司。

そんな上司が肩を落とし項垂れていた。


「え?もう終わりってことですか?」


私はことの次第が全く把握できずにただただ立ち尽くしていた。


「これけら弁護士が何人か来て色々やるから見てれば分かるよ。何かあれだね。居宅介護支援事業所潰すとか、まあ結局君に任せる形で引き継いだんだけど、あれは今回の民事再生の為に急に言い出してたんだね〜。完全にやられたよ…」


「…」


偶然にも、居宅介護支援事業所の申請が1週間前に完了していた。


あと数日手続きが遅れていれば、民事再生の対象事業となり、スムーズに引き継ぎは行えなかっただろう。


数時間後、ゾロゾロと弁護士がやって来た。


あっという間に関係資料をダンボールへ詰め、資産になりそうな器具を確認して去っていった。


人が去り、また静かになった。


「というわけで、会社はなくなります。今日から特にやることはないので後はもう自由です。

給料は通常通り支払われるので安心して下さい。」



私の勤める会社は本日、破産(民事再生手続き開始)をした。

  

                  つつぐ



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