第15話独立5!
私ができることについて考えてみた。
とりあえず、利用者さんへ告知とお詫びに奔走した。
「会社が突然倒産しまして…」
「えっ?私たちは大丈夫なの?運動とか、お風呂はどうすれば良いの?」
当然の不安が利用者さんから溢れていた。
倒産した会社が運営していたデイサービスや通所リハビリテーションも突然の閉鎖となっていた。
まず、入浴や運動といった今まで利用していたサービスを1日でも早く再開させなければならない。
市内には偶然にもオープンして間もないデイサービスがあった。
有難いことに、私が担当する利用者さんを快く受け入れてくれた。
それでも数人はサービスに結びつかない。
いくつもの事業所へ連絡を取りどうにか担当する利用者さん全員のサービスを再開できる状態となった。
次は自分の経営する仕事との調整が問題となった。
昼間は弁当配達、夜は飲食店に立っていた。ケアマネジャーの仕事はどうやって回していけば良いのだろうか。
時間が足りない。
ケアマネジャーは私1人。当時の私には人材を確保しようと思う思考も気持ちもなかった。
とにかく資金が不足している。そのことだけに頭がいっぱいだった。
自身の経営する会社にケアマネジャーの事務所を加えて事業拡大。ケアマネジャーの収入は安定収入。担当する人数の変動がなければ毎月決まった報酬が入ることになる。
しかし、大きな問題がる。
報酬が入るまでの期間だ。
ケアマネジャーが支援を提供した月の2か月後に報酬が振り込まれる仕組みとなっている。
当時経営する会社の資金力では2か月の期間をしのぐ資金力もない有様だった。
まさに自転車操業。
どうやっても資金が足りない。
手弁当で資金を何とかするしかない。しかし、そんな自己資金があるわけがない。
銀行へ走りカードローンしか選択肢がなかった。
2か月間の資金を何とか調達し、名ばかりの事業拡大を行い、とりあえずのスタートを切った。
つづく
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