第13話 独立3!
「どういうことですか?」
すぐに上司へ確認をした。
「給与の面で折り合いがつかなくなった。はなしているうちに次の日に退職するながれになってしまった」
そんなことはあり得るのだろうか…
私は冷静に考えることができなかった。
とにかく目の前の状況を何とかしなければ。
私が勤める会社はケアマネジャーが私を含めて2名体制で運営されていた。
そのうちの1人が退職してしまったのだ。当然残るは私1人。突然今日から責任者になってしまった。
何から手をつけて良いかもわからず、まず担当する利用者さんに事情を説明して回った。
「何があったの?大丈夫?」
当然の反応だった。
私が務める法人は内科、整形外科の診療所に加えて介護保険適応のデイサービス、通所リハビリと多岐に渡り運営していた。
そんな中で今回の騒動。
ケアマネジャーの事務所は突然1人体制での運営となった。
右も左も分からないまま仕事をしていた。
幸いにも退職してしまった先輩が受け持っていた利用者さんは担当者が変更することを快諾してくれていた。
この頃のことはよく覚えていない。
とにかく夢中で仕事をするしかなかった。
そして、自身の会社で事業所を引き継ぐ準備も同時進行で進めたいいかなければならない。
何とか日々の業務、引き継ぎ作業などなど…
何とか1人で進めて行った。
そんな日々の中で、またしても事件が起きていた。
また、朝の出勤した時の出来事だった。
やけに静かな事務所。いや、静かを通り越している。
人の気配が、ない。
恐る恐る事務所に入ると、うなだれた姿をした上司が座っていた。
「どうしました?」
「会社が破産した…」
「?」
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます