第6話 サービス担当者会議!

 ケアプランや利用票の作成方法は何となくではあるが覚えてきた。


担当する利用者さんとも少しずつ関係性を深めていくことができたような気がする。


ある日、初めてとなる新規利用者を対応することとなった。介護認定は要介護2の男性。1人暮らし。家が散らかっている。本人からも掃除がうまくできない、風呂も入れていないと話してくれた。


介護保険サービスで思いついた内容は訪問介護とデイサービス。


早速デイサービスやらヘルパーさんやらの事業所へ相談の電話をしてみた。


「デイサービスを利用したい方がいます。週2回ぐらいですが空いてますか?」


「空いてますよ〜、まず見学からですか?お日にちが分かれば教えて下さい。」


まず、デイサービスの見学を手配。ご本人に見学をしてもらった。感想は悪くない。利用を進めたいとのことだった。


次は訪問介護。本人からは2回ぐらいで掃除や洗濯を頼みたい、とのこと。この内容をある事業所へ相談したところ偶然にも空きがあり対応できると返事をもらえた。


デイサービスは終日利用し、訪問介護は1時間程度の利用を想定した。


ここから介護保険で規定される「サービス担当者会議」を開催することとなった。


参加者はご本人、デイサービスから1名、訪問介護から1名、ケアマネジャーである私。


順番に自己紹介、それぞれのサービス内容を確認。デイサービス、訪問介護それぞれの担当者から意見を言ってもらった。ご本人からも疑問点や質問等を確認。


以上が教科書に載っているサービス担当者会議の流れだ。初めてのことばかりだった私はひとまず基本に忠実に会議を開催することしかできなかった。


しかし、ここで疑問が生まれた。


果たして全員が時間を合わせて顔を合わせる必要があるのだろうか?ご利用者本人は既に各サービス担当者とそれぞれ個別に会っている。改めて全員が同じ時間、同じ場所で話すことに疑問があった。


仮に会議日の調整が難航した場合は実際のサービス利用が大幅に遅れてしまうこともある。ここは変えていくべきではないのか。


介護保険サービスを利用したいニーズに対してのレスポンスが遅れてしまうことが1番の懸念点だった。


介護保険法に改めて目を通すと、サービス担当者会議の参加は原則であって、絶対ではない。何と、「照会」という技があったのだ。


事前にサービス担当者へケアマネジャーが情報を確認してして代用することが認められていた。これを活用すればタイムロスを防ぐことができそうだ。


都合のつかない担当者へは照会を活用し実際の会議には参加せず済む方法をとったことで、介護保険サービスの利用が迅速に進めることができた。


そして無事、サービスを開始できた。


                  つづく










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