第9話 居場所を耕している。

私は世良です。

少しだけルーナのためのことを話したいと思います。

ルーナには今、家に居場所がないように感じるんだそうです。

それはどうしてなのかは分かりません。

ただ家にいるのが怖くて信じたいことも信じられないそうです。

だから、親が1番子どもであるルーナのことを知っていてもルーナは自分のことを親に知ってほしくないそうです。

ルーナは今、親の言葉が信じることが出来ないそうです。

だから、私たちが代わりばんこに親の気持ちを理解しようとしています。

だけど、やっぱりまだルーナは親の言葉を噛み砕いて説明しても発作のように親の言葉である『公務員試験』『頑張れ』『あなたならできる』『受けなさい』『お父さんのようにやればいいんだから』そんな言葉を聞くたびに記憶を無くします。

そして、その言葉から離れるようにルーナという1人の人間の自我が心から離れていくそうです。

私たちはルーナが居場所だと思える場所を見つけるために、ルーナがルーナで居られる場所を耕すように勉強をしたり、音楽を聴いたりしてます。

それは全部ルーナでいられる時間を増やすためでもあります。


ルーナヘ。

あなたは1人じゃないよ。

あなたを助けたいと思う人はいっぱいいるよ。

だから、少しずつでいい。

信じることを怖がらずに苦しい時は私たちが力になるから、もう辛さを1人で抱え込まないでね。


世良より。

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