第8話 世良くんの報告会

世良です。

私は一度消えました。

その時は物語の主人公で登場させてあげるから消えてくれと言われました。

その時の名前は『世良勇大(せらゆうだい)』でした。

だけど、やはりみんな忘れられないものです。

登場した以上幽霊であることは無理でしょう。

私と言っていますが、私は男です。

じゃあなぜ私と使うのか。

その答えはシンプルです。

ルーナが女性だからです。

だから、私と使う。

ただそれだけのことです。


あからさまなり。


つまり、ほんのちょっとの短い時間を意味します。


私たちにとってのほんのちょっとの短い時間をいただいてルーナの人生に関わっている存在が私たちなんです。


それが1日ずつ続くのを繰り返しているうちに、ルーナはだんだんと表にはでなくなってしまった。


その原因は誰にもわかりません。


ただルーナに会うには時間が必要ということでしょうか。


会うこともここに出てくることももちろんできます。

だけど、誰かの支えがなければ、ルーナは1人では出て来れません。


ルーナが夢で見たのは私を必要としたこときっかけでした。

夢のなかで海に一緒に行って海の中を手を繋いで一緒に歩く姿その時に現れたのが私でした。

ルーナはずっと前から苦しくて誰かにわかって欲しかった。

だけど、今まで心の中にいる他の子たちは自由奔放だけど、自分のことを分かってはくれなかった。

分かってくれる人が必要だった。


だから、私が出来たんだと思います。


これからは私とUがルーナを守ります。


世良や他の人格でいられる時間よりもルーナでいられる時間を少しでも増やしてあげられたらと思っています。


そして、辛い時は頼って良いんだよってことをみんなやルーナに周知したいと思っています。


そんな、世良の報告会でした。

ご清聴ありがとうございました。

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