異世界の車窓から
「待ってたわよね。魔砲少女達よね」
翌日、貝塚駅で待っていたコヅエちゃんはモコモコの白い帽子に白いボアコートと、ふんわりコーデ上級者の出立ちで戦闘体制バッチリでした。
「おいテメェ、これは一体どういった状況だよ? ヒロインよりオシャレしてんじゃねーんだよ」
いやいや、ハオちゃんも個性的で可愛いわよ! 特に、『駆逐してやる』と書かれた、ウニキュロのTシャツなんて、とっても素敵!
「コヅエさん、同行感謝しますわ。でも、どうしてそこまで協力してくれるのですわ?」
……あ、メオちゃんの服装、可愛いですね。 ベレー帽が似合う女子は男子中学生のハートをブレイクさせると一説にあります。
魔砲少女ファンがたじろぐほどに、オシャレマウントが火花を散らす中でコヅエちゃんが答えました。
「それは……。一応、ウチを助けてくれたんだし、協力しないと気持ち悪いのよね」
いい子です!! 当初、モブキャラ設定だった面影は微塵も感じません!
さあ、切符も買ったし、駅弁も買ったし電車に乗って出発進行!です。
流れる風景の車窓から外を眺め、頬杖をつくコヅエちゃんは、誰に向けてでもなく呟き始めました。
「ウチの家に伝わる【鏡】は持ってるわよね。それと同じく、【剣】と【勾玉】を家宝として代々守る家があるのよね。剣の守護をしていたのは、平安時代より宮中の護衛や行幸の際に警護に当たっていた
–––– 最後の幻想っぽいですね。きっと、【剣】の名前は【X
「コヅエさん、なぜ、『呼んでいた』って過去形なのですわ?」
メオちゃんの言葉に、コヅエちゃん『ふふっ』と、寂しそうな笑みを浮かべると呟きました。
「没落したのよね。10代目当主の
–––– そんな壮絶な過去が!!
これには魔砲少女の二人も唖然としています!
「それで、【剣】に使われていた素材だけど、『意思を持つ青銅』と伝えられていたのよね。ウチも冗談だと思っていたのだけど、まさか、本当に自分の意思で里に戻って来るなんてね……』
話が見えませんね? もう少しコヅエちゃんの話に耳を傾けてみましょう。
「その青銅は、『銅像』になっていたの。そして最近、廃品回収車に乗って自らの意思で里にやって来たらしいのよね。驚くことに、その像は喋るのよね」
……まさか! その銅像って!!
「それって!まさか、ですわ! 私が戦った相手…… 古墳中学校初代校長の像、『江田豆 兵八郎』じゃないの?! ですわ!」
とうとう大いなる伏線が回収されました!
これは前作『続!埴輪なアッシはハオちゃんだよ』の終盤エピソード、『校長室の最終決戦』で、メオちゃんに立ち塞がった、動く銅像でしたね!!
もう、鮮やかすぎて作者は感無量です。
……え? 覚えて…ない?!
……え? あるカクヨム作者様の手法をパクっている…ですって?!
ええ、認めましょう。その作家様の作品、『桃子のガレー漕ぐ冒険』の伏線回収と同じ手法だという事を!(※実在しない作品名です)
だって仕方ないではありませんか!
あんな最高なストーリー見せたれたら真似したくなるのが人ってもんでしょう!!
ふうふう、熱くなってしまって申し訳ございません。
意味不明な内容かもしれませんが、詳細は後で報告させて頂きます!
そうこうしているうちに、電車は『鍛冶屋の里駅』に到着しました。
駅を降りるとそこには、『歓迎!三種の神器【剣】発祥の地へ! 〜鍛冶屋の里観光協会〜』と、横断幕がデカデカと掲げられています。
「流石だよ。木を隠すは森の中。こんだけ堂々としていればハンムラビにも気付かれないよ!」
流石はハオちゃん!鋭い洞察力が今日も冴え渡っています! そして! ノスタルジー溢れる駅の改札口の空気は澄み渡っています! が、しかしそこに! 行手を阻む童女の影が!
『魔砲少女御一行様。お待ちしておりました。ずっと……。 私はハンムラビ近衛隊、『冥土のカメリア』。いざ、尋常に……』
「邪魔だよッ!」
『あっはぁああ!!』
さて、ハオちゃん達は改札を抜けるとバスに乗って目的地に向かいます。
彼女達の向かう先に、とてつもない試練が待っている事を知らずに……。
––––– つづく。
※今回作中で触れさせて頂いた、あるカクヨム作家とは『辺理可付加』様のことです。
素晴らしい物語構成や確かな筆力。
鮮やかな伏線回収は正直に感動します。
そんな手法を真似(到底真似と呼べるレベルでは無いが)させてもらった事を、深くお詫び申し上げます。 それと、今回の話、いろいろごめんなさい🙇🏻♀️
後悔させませんので、是非、辺理可付加様の作品をチェックしてみて下さいね。
(特に作者の代表作がオススメです!)
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