登る君はツンデレさ
「なんですって?!」
メオちゃんが驚くのも無理ありません。
コヅエという少女が石化した理由……。
それを、ハオちゃんは話し始めたのです!
「あれはアッシが、前作【続!埴輪なアッシはハオちゃんだよ!】だった頃に遡るよ……22話目【唸れ魔砲!屋上決戦!】で…… コヅエちゃんと戦ったんだよ」
キタコレ! 作品をまたぐ伏線回収!!
新規読者を置いてけぼりにして物語は加速します!
あの話を思い返すと、魔法少女と魔砲少女の華麗なるバトル回でしたね!
確か、コヅエちゃんが放った封印魔法を、ハオちゃんが跳ね返して……的な?内容だったかしら? ちなみに過去改竄のクレームは受け付けておりませんので、あしからず。
「その時、コヅエちゃんは確かに【鏡】を持ってたんだよ。あれが【裸ノ鏡】だったなんて、後付け伏線にも程があるよ。でも、今度こそアッシは…… コヅエちゃんを救ってみせるよ!」
決意を新たにする魔砲少女。
その様子を眺めていた老婆は頷きながら、「そうかい、そうかい。 …… テメェが原因かァァアアあ?! ふガァアアアア」と、興奮を隠せない様子です。あら、入れ歯も飛び出しちゃいましたね。
「ハオちゃん!いきますわよッ!
「早く行くんだよ!」
こうして、魔砲少女達は母屋の裏手にある蔵に向けて走り出しました。
※一旦CMだよ!
【 –––– リンゴを噛むと、歯茎から血が出ませんか?
そんなアナタには、薬用『強力接着剤』!
歯と歯茎もろともガッチリ固定!! 入れ歯の固定にもオススメです!
認可は降りていないけど、30日保証付きで新発売!!
–––– お求めは『検索』をクリック!】
「ハオちゃん、準備はいい?ですわ?」
蔵に到着したメオちゃんが、取手に手を掛けます。その瞬間、メオちゃんは総毛立ちました。
「ヤバいですわ。凄くヤバい気がしますわ!」
蔵の中から微かに聴こえてきたのは……。
『lonely♪ ろりろり神降臨ッ!(コヅエちゃ〜ん) 焼酎マジイッキ♪(ズギャーン) ハァ?(゜Д゜) ごちそうさまが、聞こえなーい (もう一杯!)』
……といった、呪詛のような叫び声。
放送倫理・番組向上機構とパテント侵害の見えざる手が、本作に牙を剥きます!
「この呪文は…… カク◯ムのテーマソングにピッタリだよ!」
そんなセリフを書いてしまう作者は粛清されるべきだと公式の声が聞こえます。
さて、ハオちゃんはメオちゃんに代わり、取手を握りしめると「メオちゃん、、アッシは行くよ」と、重厚な扉を開きました。
そこに待ち受けていた恐るべき光景とはッ!
『子供は蔵入り禁止だぜぇ?!』
なんて事でしょう! だらしない顔で泥酔した大人達が、コヅエちゃんの石像を取り囲んで酒盛りしています!
これでは、お蔵入り作品にになってしまう可能性があります!
『おおおお、ハオよ。何でも酒のせいにして××や、〇〇してしまう卑怯なゴウヨクじゃあ! 変身じゃあ!』
埴輪の髪留めからも
酒の一滴は血の一滴。
「ハオちゃん!」「メオも!」
「「変身ッッ!!」」
蔵の中に光が溢れます!!
さあ、悪しき大人を倒してコヅエちゃんを救出しましょう!
「ハオちゃんは、パティシエだよ」
「メオはツンデレなOLですわ」
なにゆえ?! 優雅なティータイムが領域展開されました! これは…… 今流行りの古民家改造カフェ?!
『な…なんてお洒落さんなんだ! だが、こんな事でコヅエ様への信仰は消えはしないッ!』
ゴウヨクなオッサン達は、コヅエ像を取り囲みます! コラ!お前、触ったな! この、ロリ◯ンどもめぇぇ!
–––– おまわりさん、コイツらです!!
「おじ様方、私ひとりでケーキを食べさせるつもりッ? べ…別に、一緒に食べたいとかじゃないんだからねッ!」
メオちゃんは頬を赤らめながらモジモジします! このツンデレ破壊力、効果はバツグンだ!!
『お、おお、し、仕方ねぇなぁ、ぐふふふ』
マジきもいんですけどぉおお!!
メオちゃんに群がるオッサンども、ある意味、魔砲少女のピンチです!!
そんな中、メオちゃんは上目遣いでゴウヨクに語りかけました。 これは、あざとい!!
「優しくしたって、嬉しくないんだからねッ(照れッですわ) でも…… 注文しすぎたケーキを食べてくれるのは、カッコ……いいかも(ぽっですわ)」
これには、ゴウヨクもイチコロです。
われ先にと、メオちゃんの隣に腰掛けます!! そこに満を持して登場したのは、パティシエハオちゃんと……。
「お待ちどうさまだよ! ウエディングケーキ完成だよ!」
蔵の中央に、白い巨塔がそびえ立ちます!!
その、完成度の高さと攻略難易度の高さは、バベルの塔すら凌駕するとかしないとか!
想像を絶する
『俺がくぅうう!! わしもくうう!! くううぅぅ!! あっまーいいぃ!!』
その様子に、ほくそ笑む魔砲少女達。
勝負の行方が静かに忍び寄ります。
「自分の愚かさを、病院で悔やむがいいんだよ! 魔砲!!『
蔵に吹き抜ける穏やかな風が勝負ありを告げました。
『痛ッってぇぇええ?! なんじゃこりゃぁあ?!』 蔵にはゴウヨクの
「悪•霊•退•散!」
「悪•鬼•殲•滅!」
その後、ハオちゃんはコヅエちゃんを石化から救い、【鏡】を手に、鬼家場蔵を後にしました。
元に戻ったコヅエちゃんが二人に述べた「ウチのセリフがないですよね。絶対、手抜きですよね」という感謝の言葉が、魔砲少女達を奮い立たせました。
残る神器は【剣】と【勾玉】。
更に伏線回収の旅は熱を帯びていく予定です。
–––– つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます