待ち望んだ瞬間

「 –––– やあ、アッシだよ。 …… 本シリーズ三作品の合計文字数が10万文字を超えたよ! みんな、ありがとうだよ!!」


 ハオちゃーん!! 復活して開口一番それですか?! 何はともあれ、目標の10万文字を達成できました!


 おめでとう。おめでとう。おめでとう。

 –––– ありがとう。


            –––– FIn 。


『ちょっ、何勝手に終わらせにかかってんだ?! 僕を無視するな!』

 臭撃のカギリスクの意見はごもっともですね! さて、冗談はこれくらいにして。


「メオちゃん。有難うだよ。助かったんだよ! あとは……任せておくんだよ!」


「ハオ…ちゃん」

 メオちゃんの瞳から大粒の涙が溢れます。

なんて美しき友情でしょう!!

 これには、満場一致スタンディンオベーション不可避だと結論から申し上げます!


『くっ、魔砲少女が復活しただと?! この流れは僕の逃走フラグッッ!』


「そうはさせないんだよ。ハオちゃん変身だよ!」


 さあ、元祖魔砲少女の変身です!

復活記念に魅せてもらおうか、その性能とやらを! と、読者の福音が轟きます!

 光を纏ったハオちゃんの姿、それは!


「ハオちゃんは、トリマーだよ」

トリマーです! ……え?トリマー?

 いやいや、メオちゃんの過去編みたいに、侍とかもっと強そうな変身を……。 『くのいち』なんてのもありですよ!


「メオちゃん、毛並みが乱れてるんだよ。アッシが綺麗にしてあげるよ」

 これは! メオちゃん(ダックスフンド)のトリミングを開始!完全にカギリスクを置き去りにしています! きっと、アウェー感を演出して闘志を削ぐつもりなのね!


『あの……。魔砲少女さん、ちょっといいですか? 攻撃しちゃっていいですか?』

 繰り広げられる超絶心理バトル!

カギリスクは逃げる選択を諦めた模様です!!


『…チャンス、なのか? 食らえッ、魔砲少女ども!! 最大出力シュールストレミングッ!』

 おおっと! ジップロックの封印が再び解かれました! どうするの?魔砲少女達!


「この時を待ってたんだよ……。 魔砲!『ドライヤー熱くないですか?』だよ!」


 ハオちゃんの叫びと共に、手にしたドライヤーから放たれる熱風! トリマーへの変身は、この為の布石だったのねッ!

 業務用ドライヤーの強烈な風が、シュールストレミングの臭いを押し返していきます!


『なめるなぁ!僕はハンムラビ四天王! 負ける訳にはいかないんだぁ』

 カギリスクも負けじとシュールストレミングに息をフーフー吹きかけます!

 力が拮抗するその光景は、例えるならば魔法と魔法のぶつかり合い。意地と意地の衝突が火花を散らします!


「ハオちゃん!加勢しますわ!」

ダックスフンドのメオちゃんも、足元を駆け回ってテレワーク中のご主人を応援するが如く助力に徹します!


 –––– 舞い上がるカットされたダックスフンドの毛。 それは太陽の光を受け魔砲少女達を光のヴェールで包みました。


 –––– そして、ドライヤーの吸気口に毛が吸い込まれ、それは熱を帯びていったのです。


 ついに、決着のときが訪れました。


「「合体魔砲!! 『がフレイムッ!』だよ。ですわ!」」


 ドライヤーから放たれた炎!!

それは、カギリスクの持つシュールストレミングを覆いました。

(※絶対真似しないでください。)


『あッ、あっちぃ!』

カギリスクは熱くなったシュールストレミングの缶を地面に落としました。

 炎により煮えたぎるシュールストレミング。

それは凝縮され、さらなる香りを世に放ちます。


『く、臭ッ! げゔぉあ!!』

–––– 花はいつか散りゆく定め。

カギリスクの鼻も遂に限界を迎えたのです。


『ま、負けたよ。魔砲少女達、いい…戦い…だった……』

 カギリスクはシュールストレミングの汁に沈みました。壮絶な最期です。


「悪•霊•退•散……」

「悪•鬼•殲•滅……」


 ハオちゃんも復活を果たし、魔砲少女達は遂にハンムラビ四天王(仮)を倒しました。

 カメヘンマイダーのタケシは現れませんでしたが、多分大丈夫でしょう。


 物語は最終局面へ。

魔砲少女とハンムラビの決戦が迫ります。

さあ、次回からは最終決戦編突入です!



          –––– つづく。 

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