最終決戦編

三種の神器

『ハンムラビ様、報告致します。 四天王の『音響神セイレーン』、『臭気神バジリスク』が、復活した魔砲少女と交戦。敗北を喫したとの情報…です』


 ハンムラビの手前、玉座の前でひざまづく男は小刻みに震えていた。


『更には、魔砲少女の力が以前より……』

『もうよい、下がれ』

男の言葉を遮るハンムラビの声は優しげだったが、その場が凍りついたかのように不気味な静寂をあまねいた。


 ハンムラビが青い眼光で鋭い視線を向けると、『ヒィッ?!』という言葉と共に男は影に呑まれ、姿を消した。


『魔砲少女……。まだ足掻くか』

その声に含まれた感情は、怒りか失望か。

 誰一人として真意を知るものはいない…。




「 …… 的な奴だったんだよ! メオちゃんもハンムラビには気をつけるんだよ!」


 だいぶ話を盛りましたね?!

危うく別作品が始まるのかもって心配しちゃいました!


「つまり、ハンムラビは魔力カンジョウを吸い取る力を持ってるのですわね。 それは困りましたわ」


 冒頭のくだりで、そこまで理解するメオちゃんの頭脳は、ジッちゃんの名にかけて限界突破してますね。

 そんな二人は、カレーショップDOCO一番屋でランチタイムと洒落込んでいました。


「メオちゃん、ひとつ案があるんだよ」

 –––– 来ました!! ヒロイン覚醒の瞬間が!! きっとハンムラビ打破のマスターピースとなる筈です!


「マンゴーラッシー注文するんだよ。カレーと相性抜群だよ」

 カレーのマスターピースでした!!


「ハオちゃん、このままではハンムラビには勝てませんわ。なにか手掛かりがあればいいのですが…… そうですわ!ハオちゃんのパパなら何か知っているかもしれませんわ!」


 メオちゃん。ストーリーの軌道修正をいつも有難う御座います。私も本心では早く終わらせて有給休暇でバカンスしたいのですよ。


「わかったよ! パパんに会いに行くんだよ!」


※一旦CMだよ。


【 –––– 冷たい風が吹き荒ぶ大都会。

 ある者は、鼻水にまみれ。

 ある者は、目の痛みに苦しむ。

 

 そんな、あなたを苦痛から救いたい。


 我が社は長年の歳月をかけて、遂に完成させました。


  その名も! 便座カバー!!

これで冬場のお尻ヒンヤリから来る、体調悪化からアナタを救います!


 ♪〜 あなた〜の尻に

      狙いを決ぃめて〜

       『便座ブロック』♪

        お求めは薬局、薬店で!】



 さてさて、二人は古墳中学校の校長室にやってきました。

 実は、ハオちゃんのパパは校長……室に飾られている大きな埴輪なんです。 この事実は前作の流れで知っている方も多いことでしょう。


『ハオよ。久しぶりだな。小遣いならやらんぞ?』

 人情味溢れる、家族の絆が紡ぐホームドラマが幕を開けました。作品のタグを『現代ドラマ』に変更する時です!


「違うんだよ。実は、カクヨムジカジカ……」


『成る程、ハンムラビの弱点とな? 思い当たりが無いわけではないが……』

 ハオちゃんパパは奥歯に物がはさまった言い方をしますね? 何か隠してるみたいです。


「パパん!アッシ達は覚悟を決めているんだよ! 知っている事があれば教えて欲しいんだよ!」

 ハオちゃんの真剣な表情に、パパは重い口(物理)を開きました。


『ハンムラビの力の根源は世に対する恨みだ。その理由を映しだす【鏡】そして、断ち切る【つるぎ】最後に封印する為の【勾玉まがたま】。……この三種の神器が必要なのだ』


 パパは『しかし…』と、言葉を続けます。


『この中で、【鏡】の在処しか私にもわからん。【剣】と【勾玉】については長き歴史の中で存在すら忘れられてしまったのだ』


 わお! なんかそれっぽい展開ですね!

皆んな大好き王道テンプレの道が開かれました!!


『その【鏡】も、冥界の入り口とされる鬼家場蔵キャバクラという危険な場所にあるという。その蔵に入って出てきた者はおらんのだ』

 なんて危険な香りがする蔵なんでしょう!

だから、ハオちゃんパパは口にするのを渋っていたのね。


「パパん、アッシはそれでも行くんだよ。まずは【鏡】ゲットだぜ!するんだよ」

 ヒロインの意志は固いようです。 ハオちゃんパパは熱意に負けて、遂にその蔵の場所を口にしました。


『二人とも…… 必ず生きて帰って来るのだぞ。【剣】と【勾玉】の在処も探っておく』


 魔砲少女達は互いに頷き、校長室をあとに力強く歩み始めます。


「ハンムラビ。アッシは二度と負けないんだよ!」

 決意を胸に、魔砲少女達の戦いは続きます。


           –––– つづく。

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