ハオちゃん救出編
いざ思い出の場所へ
皆様、ごきげんよう。
私に逢いたかったでしょう? みんなのGET WILD 、モノローグが返って来ました。
……え? ジノちゃんの方がいい?
もう! 冗談が上手いんだからッ♪
私は大丈夫よ。お休みの間に京都でスッポンと、浜松で鰻を食べて元気いっぱいです。
勿論リボ払いですけどね?
さあ! 気合いを入れてハオちゃん救出編行ってみましょう!
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「ハオちゃん。もう少しの辛抱ですわ」
コンビニのビニール袋に埴輪を入れ、大事そうに抱えながら女庭メオちゃんは走ります。
『メオちゃん、大変だ。強力なゴウヨクの気配がする!』
そう発したのはメオちゃんの赤い首飾りでした。久しぶりの出番にテンションが上がってるみたいですね。
そうこうしているうちに、メオちゃんに立ち塞がる影がありました。
『貴女がもう一人の魔砲少女ですか。あたしはハンムラビ四天王がひとり、音撃のサイレーンです』
–––– 四天王?! なんて事!
ベタな展開の上に、あと3体出てくる伏線にゲンナリしそうです!
「やっぱり、簡単にはいきませんわね。首飾りさん、変身ですわ」
メオちゃんが首飾りを握りしめた時でした。
『メオちゃん、駄目だ。古墳の近くで更に強力な気配がある。今、変身してしまうと魔力が切れてしまうよ!』
首飾りごときが、サブヒロインに意見するなんて! これは極刑にあたる暴挙です!
「わかりましたわ。変身はとっておきましょう」
メオちゃんが首飾りから手を離す姿に、音撃のサイレーンは『舐められたものね』と、不服そうな表情を浮かべています。
次の瞬間、サイレーンは大きく息を吸い込むと【ピーポーピーポー!】と、発しました。
すると、恐るべき事に『ピーポー』という文字が空間に現れ、メオちゃんを襲います!
「キャ、ですわ!」
間一髪避けましたが、メオちゃんは大きくバランスを崩しています! このままでは、次の攻撃を避けられそうにありません!
『他愛も無いですね。とどめよ。【ファンファンファン!】』
同じく『ファン』という文字がメオちゃんに迫ります! メオちゃん!避けて!!
–––– しかし、無情にも地を裂くような衝撃音が大気を震わせました。 砂煙の中、押し寄せた『ファン』によりメオちゃんの安否は絶望的です。 なんて事……。
しかし、物語は思いもよらないご都合主義の加護を受けているようです。
砂煙の中から聞こえてきたのは、聞き覚えのある男の声でした。
「よう、危なかったな」
「あ……、アナタはカメヘンマイダーのタケシさん!!」
※カメヘンマイダーのタケシとは前作の【不条理なる愛国者】で登場した人物です。
タケシと呼ばれた少年は、『ファン』を受け止めていました! ファンタジスタも
「メオちゃん、前の借りを返しにきたぜッ!
噛めへん・米だぁ、変ッ身ッ!!」
ああ、タケシくんはご飯を噛まずに口にかき込みます。これが彼の自分を犠牲にする変身方法……。 ええっ?! ご飯がおかゆに変わってます! 胃に掛かる負担を軽減させる新しい変身なのね!
「タケシさん…… 助けてくれて有難うですわ。また逢えて嬉しいですわ」
変身を終えたタケシの姿は、炊き立てご飯のようにツヤツヤと輝いています。
彼は音撃のサイレーンを見据えながら、「さあ、メオちゃん。君には目的があるんだろ? ここは俺に任せて先に行くんだ」と、背中で語りかけます。 いい男になったじゃない!タケシ!!
「タケシさん、有難うですわ。きっと勝てると信じてる。次会った時は梅干しをプレゼントしますわ!」
メオちゃんはその言葉と共に駆け出しました。
『行かせないわよ、魔砲少女。食らいなさい【ウゥー!ウゥー!!】』
「おっと、邪魔させねーぜッ!マイダー・パンチッ!!」
タケシの拳が『ウゥ』を打ち砕くさまは、緊急車両の走るが如き道を切り拓きました。
『小癪なぁ! なんなんだ貴様は?!』
おおっと、ここで音撃のサイレーンがヒステリーを起こしました!
その隙にメオちゃんは遥か遠くまでランナウェイ完了です!
「–––– 俺は、カメヘンマイダーのタケシ。オマエを倒す男の名前だぜッ!」
–––– つづく。
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