第6話 a001 文子さん イタチ
「私 野生のイタチを飼っているんです」と同僚だった 文子さんは言った。
「イタチですか?」
「はい。」
「野生のイタチがいるんですか?多治見には。」
「家の近所の公園に普通に。だから…捕まえてきて家で飼ってました。だから野良イタチですかね。」
「野良イタチ?初めて聞きました。多治見にはそんな野生のイタチが放し飼いで自由に歩いているんですか。」
「いるんです。」
「私は2匹捕まえてきてペットにして飼ってます。」
「ペットで!」
「イタチって噛むと結構痛いんですよ。」
「そんなに。」
「噛むんです。本人たちは 甘噛みのつもりなんだろうけど痛いんです。普通に血だらけですよ。」
「そんなに噛まれて大丈夫なんですか?」
「さすがに食べるまではいかないんで大丈夫です。」
イタチってフェレットを散歩させてる人に公園で会ったことはあったけど文子さんはペットとして飼ってるんだ。しかも 家の近所で捕まえてきた野生のイタチをだ。毎日のように噛まれていてペットとして飼っていて 楽しんだろうか。イタチの甘噛み というものがどの程度痛いものか僕には分からなかった。ただイタチは見ていて楽しいし 可愛いなとは思った。でも臭くないんだろうか。イタチ系ってなんか臭そうな気がした。文子さんは匂いとか平気なんだろうか 僕は苦手だな〜。あぁそう言えば文子さんは花粉症でほとんどにおわな言って冬 なんかに犬と一緒に寝ているとあったかくていいのよ と嬉しそうに言ってたけど、僕はダメだ犬は好きだし 可愛かった。子供の自分には飼っていたこともあるたこともある。それでも犬と一緒に寝ようとは思わない まず僕には犬と寝ることは無理だペットとして 庭で買うのはいいけど、布団の中で一緒に寝るのは無理だし、したくない。
長坂さんはとても親切だしよくしてもらったけどそれと 犬と一緒に寝られるかどうか とは 話が違う僕には無理だし そんなことはしたくない。だから長坂さんとは無理だなと思った。それに 僕は太った人は苦手なのでその点でもだめだなと思った。長坂さんがとても親切で優しい人だってことはよくわかってるんだけどそれでも無理です 犬と寝るのは無理です。
最近見たドラマで版画家のポールクレーの話が出てきた。文子さんと絵の話はしたことがあったけど、ポールクレーの話はしたことがなかった。あれは確か 名古屋の百貨店でヨーロッパルネサンス絵画展か何かをやっていて あの時は僕一人で見に行った。もしあの頃文子さんのことを知っていたらきっと誘っただろうと思う。だが残念なことに僕たちはまだ出会ってさえいなかった。文子さんとはバレリーナを描いたドガの話ぐらいはしたけど、モネの話も ルノワールのことも全然話していない。スピード狂でジャガーのEタイプに乗っていたサガンの話もしていない。おそらく 文子さんは サガンのことは知っていただろう。一度も話はしたことはないが 、おそらく 気に入ってくれたに違いない。悲しみよこんにちは ぐらいは読んでいたかもしれない。あーもっと 文子さんと話がしたかった。まだ帰ってこないんだろうな。彼女は若い人 特有のほっそりとした体をしていたが、細かったけれども 痩せてはいなかった。あれが彼女にとっての適正体重と言うか ちょうどいい状態だったんだろう。文子さんの体のことを瘦せてペラペラだと言っていた人もいたかな。僕は決してそう思わなかった彼女の胸はちょうどいいぐらいの大きさだった。まだ見ていないから分からないが おそらくちょうどいいぐらいの大きさだったと思う。彼女の身体の全体のバランスから言ってまず間違いない。彼女は胸は 均整の取れた実にバランスのいい 美しい胸だと思う。
文子さん 瀬戸はや @hase-yasu
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