第3話 美浜1
美浜には何もないと あやこさんは言っていた。僕が節約のために ディスカウントスーパーでそうめんを買ってきた時のことだ。
「いいものがありましたか?」
「ありました。」
「何があったんですか?」
「そうめんです。」
「そうめんですか これからはいいですね。」
「夏場はどうしても暑いから 昼は そうめんか冷や麦になってしまうんですよ。」
「お値打ちに買うことができた。そうめんで この夏はバッチリですね」
「これから毎日昼はそうめんです。」
「いくらだったんですか?」
「いつもは1束150円ぐらいするのが、今日は半額の75円だったんです。
「そんなに安く!」
「いいでしょう。」
「すごいですね ディスカウントショップって。」
「私が下宿していた美浜にはディスカウントショップどころか お店そのものがなくて…」
「じゃあ みんな食材をどこで買うんですか?」
「大府か、もっと名古屋よりのところで買うんですかね。」
「美浜って暮らすにはあまり 便利なところじゃないんでしょうか?」
「そうなのかもしれませんね。」
「でも海が近いから魚は安いでしょ。」
「それがそうでもないんですよ。魚が取れても魚はみんな 名古屋の方に持って行ってしまって美浜ではあまり売っていないんです。」
「そうなんですか。それじゃあ 普通に暮らしていくだけでも大変ですね。」
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