第5話マリアおばあちゃん

ここはフランス。

パリの郊外。

この街で普通に生活をし普通に歳を重ね生きてきた女性。

名は『マリア』

そんな彼女は神の元に生きてきたクリスチャンでもあった。

そして彼女はいつもの様にとある教会へと足を運ぶ。

「さぁさ…今日もイエス様とマリア様にご挨拶をしなくちゃ。」

いつも変わらない日常。

彼女は自分自身神に愛されてきたと思っている。

若かれし頃。

彼女は産まれた時から両親の愛を受けそして神との出会いを果たし修道院に入りシスターとしてその道を学んできた。

だから辺りの人々にも優しく思いやりをもって接してきた。

そんな彼女を人は『マリアおばあちゃん』と呼んでくれる。

いつか昔。

マリアさんは名前もそのままだけど聖母マリアを現代に生まれ変わらせた様な素敵な人だわ。

なんで呼ばれた事もあった。

彼女はそれを良しとしてきたし死ぬまで人の幸せを願って生きていこうを神への誓いとして生きてきたのだ。

昔から争い事は嫌いだし彼女は多くを望まなかった。

生きていられる。

それだけで彼女は十分幸せだったんだ。

今日この日…こうして家を出るまではこれがマリアおばあちゃんそのものだったのだ。

マリアは家を出る。

「さて…あ!あんな所に落し物があるじゃない?何かしら?」

私は目に見えた落し物を拾い上げる。

赤くキラキラ光るこれまで見た事もない石。

「おやおや…綺麗な石だわね?凄いわね。」

私はその綺麗な石に目を奪われてしまう。

「もしかしたら神様からのプレゼントかしら?」

そんな私の目にはとても素敵に感じだこの石。

「あら!いけないわ!私が持っていったら神様に怒られちゃうわね!ダメよ私!…さて!警察署に届けようかしらね。」

そんな神様に従順なマリアおばあちゃんは警察署へと足を運んだのでした。

「マリアさん!いつもお気遣いありがとうございます!」

私は警察署でさっきの赤い石を届ける。

するとこんな返事なのだ。

これは常々こうして落し物を届けたり、困ってる人を助けたりしている私は警察署でも有名になっているのだ。

この世には神様がいていつも神様は見ていてくださってる。

私は、そんな神に生かされこれまでの何十年と長い時間を過ごしてきたわ。

だからまた今日もいい事をしたし。

「さ!教会へ行ってから家に帰る事にしましょうか」

私は教会へと寄りそして神へと報告。

「マリアさん!お気をつけて!」

「ありがとう!シスター!」

シスターが私に声をかけてくれる。

私はシスターに微笑み返し教会を出て帰路に着こうとしたその時。

「きゃーーーーーーーっ!!!」

なんと教会内から叫び声が聞こえてきたの。

私は何事?と思い教会の中へと再び入ってみる。

するとそこには倒れている神父様とその光景を恐怖の顔で見ていた先程のシスター。

「ど!どうしたの?」

私がそう話しかける。

「い…いやぁ!!なんですか?これ??」

シスターが苦しむ神父の顔を指さす。

私も神父の顔を覗くと神父の顔は爛れ肉が溶け落ちガクガクと身体を震わせる神父。

シスターは慌て救急車を呼ぶ。

「マリアさんは危ないから早く帰った方がいいかもしれません!!」

「えっ!?」

私にそういうシスター。

だけど次の瞬間!!!

そのシスターは突然足を抑えのたうち回ったの!!

その光景はとても恐ろしく感じた私。

「どうして!?どうしてこんな??」

私の身体も震えだし苦しむ二人をただ見ているしかない。

神父は既に気絶。

そしてのたうち回っていたシスター。

私の目にうつったシスターの顔は。

神父同様顔の肉が痛々しい事になってしまっていた。

私の身体も震え。

どうにもならずただ見ている事しか出来ない!!

そして救急車が到着すると声をかけられる。

「おばあちゃん!!??大丈夫!?」

「あ、…ああ!ふ、二人をお願いします!」

私は何とかそう言うと隊員は二人を担架に乗せ車へと運ぶと急いで車は走り出す。

もちろん私もその救急車に乗せられそのまま病院へと。

私が気がつくと目の前には病室の明かりだった。

「ああ!私は一応助かったのね。」

私がそう呟くと近くにいた看護師か声をかけてくる。

「あ!おばあちゃん!大丈夫ですか!?どこか痛くありませんか!?」

(ああ…どうしてこんな事に?)

私は考えていた。

すると聞こえてくる声。

「○×警察署の所員も皆運ばれてきて死んだ。」

(えっ?どういう事なの?)

私が考えるもよく分からない状況。

「そして今度は教会だろ?いずれこのおばあちゃんの足跡があった場所らしい。」

(え?私がなにか?なにもしてないわよ。)

「どうやら警察署では届けられた石に触れたり見たりした人間に何かあったらしい。」

(え?私が拾ったあの石が!?)

私の頭の中は混乱しかない状況。

(私…このまま死ぬのかしら?)

私は神に祈る。

主よ…私はこのまま死ぬのでしょう…どうか罪深い私を…この命をもって償いましょう。

マリアおばあちゃんはその後。

苦しみもせず…亡くなったらしい。

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