第32話 それでも時間は進む

気だるげに僕は起きた

昨日のことは消化しきれていない

洗面所に行き鏡をみる

よくみると少し腫れている


情けない


幸い土曜日で美化委員も午後からなので問題はない。


メッセージを確認すると伊万里からきていた。



明日、遊びに行くって話してましたけど予定とか大丈夫ですか?

無理でしたら、断っても大丈夫ですよ。


忘れてなかったがいつもぐいぐいくる伊万里が少しお堅い感じでメッセージを送ってくるのが気にかかる。


「まあ、大丈夫だろう。」

特に気にせずに問題ないとメッセージを送る。 

そうしていると


ピーンポーン


チャイムの音がなる。

宅急便かなんかだろうと受け取りに向かうと


「隆二。おはよう」

制服をきたキラさんがそこにはいた。


ーーーーーーーーーーーーーー


「朝ごはん作っちゃうね。」

「悪いですより」  

「隆二がちゃんとしたもの食べないで倒れる方が私は困るよ。」

ぐぅのねもでない。


「できたよー」


着替えたり顔を洗ったりするとご飯が出来たらしい。


「朝ごはんはフレンチトーストだよ。」

「おいしそうです。」

美味しそうだ。


「でしょ。

そんな隆二にはおまけにアイスつけちゃう。」

そう言ってらキラさんはアイスクリームを乗せてくれた。


「「いただきます。」」


二人で食べ始める。

流石、キラさんフレンチトーストでもめちゃくちゃうまく感じる。


「卵に生クリームいれるのがポイントなんだよ。」

「本当になんでも知ってますね。」

「ふふ、私だからね。」 

どや顔をしている。

大分、肩の力も抜けてきたんだろう。

お姉ちゃんをしていた頃よりも大分緩くなっている。


「そういえば、お母さんがまた来るの待ってたよ。」

「機会があればいきますね。」

「それ来ないやつでしょ…ってあれ?

隆二目元腫れてない?」

どうやら泣き痕に気づいたらしい。


「ちょっと、目を擦っていたら…」

「氷ってある?」 

「冷蔵庫の真ん中のとこです」

そう言って、ビニール袋に氷を詰めてタオルで包んだものを持ってきた。


「とりあえず、冷やして」

「はい。」

大人しく目を冷やす。

僕が目を冷やしている間に

食器を洗って片付けてくれる。

相変わらず優しい先輩だな。


片付け終わると僕のとなりの席に座りこんだ。


「で、何があったの?」

「だから目を「嘘はいいから」はい!!」


どうしてかなのかは

分からないが嘘だとばれてしまった。


「嘘つきなれてないから声が若干震えてるし。 

何より今日テンション低いからすぐ分かったよ。」

なかなかの洞察力に感心してしまう。


「隆二、話して。

私は君に助けてもらった。

だから今度は私が君の力になりたい。」

目を冷やしているから分からないが真剣な表情をしている気がする。


目を冷やすのをやめて、

僕が初めて人を振った話をした。


「あの人のためにも泣かないって決めてたのに寝ながら泣いちゃったみたいで本当に最低ですね。」

自虐する。

少しでも罪悪感を減らしたいからだ。

本当にずるいやつだ。


「隆二…」

キラさんは悲しそうな顔をしている。

そんな顔をする必要ないのに


ギュッ

キラさんは僕の頭を抱き締めた。


「キラさん?」


「隆二…

こんなタイミングでごめんね…」


そして、彼女はー


ーーーーーーーーーーーーーー


「よし、隆二。

そこの花を抜いちゃって~

根腐れしてるみたいだから。」


「はい、分かりました。」


僕らは美化委員の作業で除草作業をしている。


「うんうん。

大分キレイになったね。」

キラさんも満足そうにしている。


「よし、水まきするよ~

隆二。ホースの用意!」

「了解です。」


僕はホースを取りに向かう。


「かがやかしい青春ですね。」

「山田先生?

なにいってるんですか。」

山田先生は眩しいものをみるようにこっちを見ている。


「自分と家内との青春時代を見ているようでしたから。」

「学生からの付き合いなんですね。」

「えーなかなか素直じゃない子でそこがかわ「先生長くなりそうなので先に行きます。」

ここからがいいとこなのに…」

嫁自慢をしたかったのか

少し山田先生は落ち込んでいる。

気にせずにキラさんのところに行こうとすると


「ちょっと待ってください。白木くん」

「なんですか?」

いい加減に行きたいのだか?

 

「悩みはどうなりましたか?」

「絶賛、悩み中です。

でも自分なりに向き合ってます!」

「いい笑顔ですよ。」


それだけ、言うと僕はキラさんのところに戻った。



ーーーーーーーーーーーーーー


おまけ

とある親子


「ねえ、今度いつくるの?」

少女の母親が少女に聞いている。


「え?なんのこと」

「隆二くんのことだよ。

あの子、今度いつくるの?

次は私のちゃんとした料理でもてないしたいし。」

「いや、そんな男の子を呼ぶのって恥ずかしくて…」

「いや、それあんたがいうの?」

前回、母親に言う前に連れ込んだのはいったいなんだったんだろうか?


「いや、あのときとは違うし」

「彼氏と彼女の関係なの?」

「違う!」

母親に顔を真っ赤にして抗議する。

「だって、帰った日には抱きついてキスをしようと「わーすーれーて!!」」

叫びつかれたのか肩で息をしながら母親に言い訳する。

「でも、隆二が許可してくれるか分からないし…」

「だから、今日どうせ学校一緒に行くんだから今から家行って聞いてきなよ。」

「え/////

でも、家に行くのは恥ずかしいから…」

「いいから行ってこい。」

「お、押さないでよ。

分かったから、行くからお母さん」


こうして、娘は家から追い出されたのであった。


ーーーーーーーーーーーーーー

おまけに関しましては

仲良し親子ですね!でお送りしました。







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