第20話 お姉ちゃん(仮)の家
「りゅうちゃん」
首もとに吐息のかかる距離で後ろから
キラお姉ちゃんが話しかけてくる。
「気持ちいい?」
どうしてこうなったんたんだろう?
「ふふ、気持ち良さそうな顔もかわいい~」
僕はどうしてキラ先輩の家のお風呂にいるのだろうか?
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「りゅうちゃん。お姉ちゃんの家に来なよ!」
「断ります。」
珍しく、即答することができた。
「え~、なんでよ~」
頬を膨らませて怒ってることをアピールしてくるキラ姉さん。
「普通に考えてこの時間に異性を家に招くのはいくらなんでも問題です!」
時計を見ると短針が7時に差し掛かっている状態だった。
「今日お母さんも10時頃帰ってくるし
りゅうちゃんは弟だから問題ないよ~。」
両手で◯を作りながらニコニコしておかしなことを言ってくる。
「それにりゅうちゃんもご飯が食べられるし
お姉ちゃんもりゅうちゃんといられるからWin-Winだし。」
「ご両親に悪いですよ。」
「お母さんもりゅうちゃんに会ってみたいと思うけどな~」
「キレイなキラ姉さんが男を連れてきたとなるとお父さんが黙ってないと思いますよ。」
「キレイだなんて照れちゃうな/////
でも、大丈夫だよ。うちは片親だから。」
やばい…踏み込み過ぎてしまった。
誰だって踏み込んで欲しくない一線はある。
「すみません。キラ先輩!!
僕が余計なことを聞いて傷つけましたか?」
考えるよりも先にすぐに口が動き、頭を下げた。
「??
ああ、特に傷ついてないよ~。
むしろ、あの人のことは嫌いだからなんとも思ってないし。」
「そ、そうですか…
ならよかったです。」
特に傷ついていないようだったが嫌いと言ったとき
一瞬冷たい表情になった気がした。
「あ、やっぱり傷ついたかも
悲しくってお姉ちゃん涙が出ちゃうよ。」
しくしくと手を目のところにおいて泣いてるしぐさをしてる。
や、やってしまった。
やはり過去のことは踏み込むべきではなかった
「す、すみません。
僕にできることならなんでもしますので泣き止んでくれませんか。」
「ほんと!!」
ガバッと顔を上げて目の前まで迫ってくる。
「男に二言はないね!りゅうちゃん。
今日1日、お姉ちゃんの言うことを聞いてね。」
「え??キラ姉さん??」
「キラお姉ちゃんだよ~
もしかして、りゅうちゃんは約束破るの?
なんでもしますって言ったよね。」
少し濁ったような目でこちらの方を見て言ってくる。
「うん、分かったよ。キラお姉ちゃんの家に行くよ。」
強引だし少し怖いけど元々僕が軽率になんでもすると言ったからだ。
これでキラ先輩が満足するなら、甘んじて受け入れよう。
「よし、じゃあ善は急げだよ。りゅうちゃん」
「ちょっ、引っ張らないでよ。キラお姉ちゃん」
キラ先輩がすこぶる上機嫌みたいなのでこれでよかったんだと思えた。
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「はい!ここがお姉ちゃんの家です!」
少し時間がすぎるとキラ先輩の家に着いた。
驚いたことに僕の家から10分ほど歩いた距離しかなく本当に近所にキラ先輩は住んでる。
「ただいま~」
「お邪魔します。」
キラ先輩に倣って、家の中に入る。
緊張する。
人様の家かつ、今はキラ先輩と二人きり。
緊張しない方が無理がある。
平静を装いながら、靴を整頓していると
「りゅうちゃん。
緊張しすぎ!
自分の家みたいに気楽に過ごしてもいいのに~
お姉ちゃんの家なんだから。」
「無茶言わないでくださいよ。」
そんなに図太い神経はしていない。
キラ先輩についていくとリビングに案内された。
「じゃあ、これから夕飯作るからりゅうちゃんは座って待っててね
それと好き嫌いとかある?」
「ピーマンが苦手です。
あと、僕も何か手伝わせてください。」
さすがに何もしないのは落ち着かない。
「ピーマン苦手とか子供っぽくてかわいい~////
いいのいいの~今日は私がりゅうちゃんのお世話がしたいからゆっくりくつろいでて」
くねくねして興奮してるが僕が手伝うことは拒否してくる。
「で、でも」
「約束でしょ」
僕の鼻に指を当てて笑顔で言ってくる彼女に
「分かったよ。キラお姉ちゃん」
僕は従うしかなかった。
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緊張しながら待っているといい匂いがしてきた。
「お~ま~た~せ~」
お皿をいくつか持ってキラ先輩がやってきた。
「今日はハンバーグです!
おかわりもあるから一杯食べてね。」
「ありがとうございます。
とってもおいしそうです。」
ケチャップソースのハンバーグ
コーンスープ
少し子供っぽいけどお世辞抜きで美味しそうだった。
「りゅうちゃんって誉め上手だね~
将来女たらしになりそうで心配になるよ
はい、召し上がれ。」
「なに言ってるんですか/////
事実だから言っただけですよ。
いただきます。」
ハンバーグを一口サイズに切って一口頬張る。
「おいしい」
思わず口から言葉がこぼれた。
本当においしい
味も勿論おいしいが心が満たされる
先輩にお弁当を分けてもらったときも思ったが
この感覚はなんだろう?
思考の渦に入ろうとすると横からカシャカシャと音が聞こえる。
「りゅうちゃん。かわいい
おいしそうに私のハンバーグ食べちゃって
この写真だけでご飯食べれそう…
せっかくだし、いまりんに送ろ♪」
なんか暴走してる。
「キラお姉ちゃんは食べなくていいの?」
「わわわ、写真勝手に撮ってごめんね。
た、たべるから大丈夫だよ。」
気づかれたことで罪悪感が出てきたのか慌てている。
「いいよ、キラお姉ちゃんなら…
だけど、僕だけ食べてるのは悪いよ。」
「りゅ、りゅうちゃん/////」
目をうるうるさせてこっちを見ている。
「なら、りゅうちゃんが食べさせて」
キラ先輩が口を開けながら準備している
「え、恥ずかしいよ。」
「お昼に私からしてるし恥ずかしくないよ~
それに今日はお姉ちゃんの言うこと聞いてくれるんでしょ?」
威圧感のある笑顔で宣言してくる。
や、やるしかないのか
「あ、あーん」
一口サイズに切ってキラ先輩の口元にハンバーグを持ってくる。
パクっ
先輩はモグモグ食べている。
「おいしい…」
「それは先輩が料理が上手いからで」
それはそうだろう。
先輩の料理はすごくおいしいのだから。
「違うよ。
いつもより暖かいもん。」
「出来立てだからですか?」
「りゅうちゃんが食べさせてくれたから
心が暖かくなったんだよ。」
口元にソースをつけるながら彼女は笑顔でそう言った。
食べさせあったり、おかわりしたりしてると無事完食できた。
「おーえらいえらい。
いっぱい食べたね~」
とキラ先輩に頭を撫でられた。
そのあと、ご飯のお礼にせめて食器を洗い、キラ先輩のご好意で一緒にお茶を飲んでから帰ることにした。
「りゅうちゃんは優しいね~
結婚したらいい旦那さんになるんじゃないの?」
「お世辞でもありがとうございます。
まあ、恋愛から程遠いところにいる僕じゃ無理ですよ。」
キラ先輩は僕のことを過大評価しすぎている。
そう考えながら、コップに口をつけていると
「なら、もしりゅうちゃんに相手が出来なかったらお姉ちゃんが貰ってあげるよ。」
「つめた!」
「大丈夫!?りゅうちゃん!!」
先輩の発言に驚き、コップを落としてお茶を被ってしまった。
「すみません、キラお姉ちゃん。」
「大丈夫?冷たい?怪我してない?
どこか打ったりしてない?急いで救急箱持ってこないと?
いや、風邪ひいちゃう早く暖めないと…」
キラ先輩がすごく慌てている。
「大丈夫だよ。キラお姉ちゃん」
「大丈夫じゃないよ!
もしなにかあったら…もしなにかあったら…」
すごい剣幕で怒ったかと思ったら、
わなわなと震えている。
僕にはどうしていいのか分からず
慌ててるだけで時間がすぎていくと
いつもと違い感情のない声で
先輩は僕に話しかけてきた。
「りゅうちゃん…お風呂に行こう。」
そのまま僕の手をすごい力で引っ張りお風呂場まで進んでいくのであった。
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おまけ
プロフィール
柊 可奈
前ノ原高校一年生
身長163cm
体重52kg
胸のサイズ Cカップ
好きなもの
ピアノ
グラタン
もつ煮
◯◯
嫌いなもの
焼き肉
人形
雷
元々、ピアノが好きで始めたので親が厳しい家庭とかではない。
茶髪なのは地毛で母親がかわいいと言ってくれたから
髪型はポニーテールにしている。
グラタンはおしゃれ感が好きらしく、本当の食の趣味はどちらかと言うともつ煮とかの方が好みである。
嫌いなものに関しては臭いが移るから焼き肉が嫌いなくらいで好き嫌いはない。
雷と人形は幼い頃に一目みたときからトラウマになり苦手になった。
◯◯とは高校生のときに初めて出会い、
偶然が重なり勘違いもありながら
自分のことを助けてくれた◯◯を◯◯の人認定をすることになる。
彼女は◯◯が自分から唯一◯◯◯を交換した相手でもあり、一番始めに◯◯の◯◯に触れたのも彼女である。
◯◯に対して◯◯を見せるが
それが友情からくるものなのか
それとも◯からくるものなのか
それは彼女以外には分からない。
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おまけの◯の部分は何者かに切り取られてて読めなくなってしまいました。
申し訳ございません。
本日から、
毎日朝6時に一話の投稿にシフトさせていただきます。
大変勝手ながら申し訳ございません。
次回も合間煌のターンが続きますのでよろしくお願いいたします。
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