第19話 新しい一歩
あの後、僕らは部活見学をやめて、そのまま帰ることにした。
今日はどこにもよらずに帰宅する。
帰宅するとRINEの母さんから父方のおばあちゃんが倒れたと連絡があったらしく、
今日は一度帰ったら実家の方に行くとらしい。
祖母の家まで片道5時間近くかかるため父さん共々少しの間かえれないかもしれない。
ちょうどいい機会なのかもしれない
可奈さんに言われたことを考える時間が今は僕には欲しかった。
そう、自分と向き合う時間を
少し考えていると母さんたちが帰ってきて、
いくらかお金を渡すと急いで出ていった。
幸い僕は最低限の家事はできるのでなんとかなるだろう,。
とりあえず、今日の夕飯を考えなくてはと思い、
冷蔵庫を見るとあまり材料がない。
めんどくさいと思いつつも買い出しに向かう。
外は日が落ちてもう暗くなっている。
暗闇は怖いがスーパーに向かう
ようやく、スーパーに着いた。
着いたが定休日とかかれた札があり入口も占められていた。
最悪だ。
無駄足をしたことにがっくりしていると
「あれ?りゅうちゃん?
何してるの?」
振り向くとそこにはアイスを食べながらこちらを見るキラ先輩がいた。
「き、キラ先輩」
「やっほー
お姉ちゃんだよ~」
とおどけながら手を振ってくるキラ先輩。
「りゅうちゃんこんな時間にどうしたの?
………もしかして夜遊び!?
駄目だよりゅうちゃんそんな不健全なことお姉ちゃんが許しません!」
目を><のようにして詰め寄って手を握ってくる。
「ほら、お姉ちゃんとお家に帰るよ。」
「待ってくださいキラ先輩!
僕の話を聞いてください!」
「言い訳無用!
あと、お姉ちゃんだよ」
なんとか暴走しているキラ先輩に親が帰省してて
夕飯の買い物に来ていたことを歩きながら伝えた。
「えーりゅうちゃん今お家で一人なの?
寂しくない?大丈夫?」
頭をなでながら不安そうに聞いてくるので
「大丈夫です。お金も貰ってますし。
少しの間だと思いますから」
そう大丈夫
僕は大丈夫
「そうじゃなくて一人で大丈夫?」
「慣れてますから。」
時々両親が遅くなったり旅行に行ったりしてるときは
基本一人だし
「でも、うーん」
キラ先輩は少し考え込んでしまった。
この人は本当に優しい人だな
会って数日の僕に対してすごく気にかけてくれている。
僕はそんなキラ先輩もやはり信じることはできない。
家出も考えていた今日あった可奈さんとの出来事を思い出す。
彼女は
自分のことを信じなくてもいい
だけど,ずっとそばにいてくれると言ってくれた。
その言葉が嘘か本当かは分からない。
しかし、僕は可奈さんの言葉にすごく魅力を感じた。
それと同時にその言葉がすごく深い沼のようにも思えた。
どちらにせよ。
今の自分のまま相手の善意に甘えて相手と線を引くことで崩れることのない関係を維持するか
今までの自分を捨てて相手と全力で向き合い何かあれば崩れてしまうような関係を築いていくかを
僕は決めないといけない。
「そうだ!」
僕が考えているとキラ先輩は何かを思いついたように声を上げた。
「りゅうちゃん。お姉ちゃんの家に来なよ!」
一周回って震えるような笑顔をして彼女はとんでもない爆弾発言を
するのだった。
何言ってるんだこの人…
――――――――――――――――――
おまけ
とある寂しがり屋の女の子
「今日の帰りは先輩に会えなかったな~」
湯船に浸かりながら小さな声でつぶやく少女。
「まあ、学校も違うからしょうがないよね。
って、たった一回放課後に会えなかったからって何とも思いません!」
誰もいない空間に少女はツッコミをいれる。
「少し会えないぐらいで寂しくなるわけないし
寂しいとか言ったら、私重い女みたいじゃん!
そもそも、朝もあったし…」
誰かに言い訳をしているが急に少女は黙り込む。
「先輩たち、仲良さそうだったな~」
少女が思い出すのは朝見たまるでカップルのように仲良くしている男女の先輩だった。
きれいな女性先輩の方が男の先輩に背中から抱き着いて頭を撫でている光景。
二人の関係は姉弟と言っていたが血は繋がっていないらしいし
姉弟という関係にしては距離が近すぎるようにも感じた。
そして,なによりそんな二人を見ていると胸がモヤモヤした。
「なんで、私…」
別に先輩に女の人の友達がいても私には関係ない。
女性の方の先輩もきれいで私にも優しくしてくれるいい人であることは
間違いない。
私の方から仲良くしていきたいと思うほどには
なのにどうして?
「あーもう私はそんなに重い女じゃない!/////
先輩も先輩です。私という友達がいながら
年上の先輩のスキンシップにデレデレしちゃって!
先輩が望むなら私だって…って何言ってるのーーーーーーーー!!」
恥ずかしそうに叫びながら水をバシャバシャする。
「うるさいよ!伊万里」
「ご、ごめんなさ~い」
母親に怒られる少女であった。
――――――――――――――――――――――――――――――
おまけの人物に関しましては乙女の秘密ということで人物名は見なかったことにしてください。
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