第11話 楽しい部活見学

地獄のような天国のような時間が終わった。

あの後、時間ギリギリまでキラ先輩のお姉ちゃんタイム?が続いた。

これから予定がなければ

毎日お昼ごはんを食べることも姉権限で強制された。


いや別にキラ先輩と食べるのは楽しいからいいけど


彼女は一人っ子で兄弟がいないらしい。

だから、僕のことを弟替わりとでも思っているのだろう。

なぜかは分からないが


「白木くん?」

隣の柊さんが声をかけてきた。


「何か用?柊さん」


「これから部活見学期間が始まるでしょ。」


「そうだね。僕は特に決めてなかったから

あんまり気にしてなかったよ」


そう、今日から部活見学期間

特にやる気のない僕には関係ない話である。


「良かったら私と回らない?」


これが天然さんか


「柊さんなら他にも一緒に回れる人いるんじゃない?」

「白木くんがいいの。

それとも私と回るの嫌?」


少しうつむく柊さん

ただ、言い方的に勘違いをおこしてもおかしくない言い方はやめて貰いたい。

僕の精神衛生上すごくよろしくない。

天然さんと僕はどうやら相性が悪いらしい。


「そんなことないよ。

柊さんと回るの楽しみにしとくね。」


「白木くん」

僕と回れることと言うより知り合いと回れることで安心したのか笑顔を見せてくる。

たった一度遊んだくらいで友達なわけないもんな


時間になり、柊さんと部活を回る時間になった

柊さんはせっかくなら運動部も見に行きたいというので見に行く。


行く先、行く先で


「君、マネージャー志望?入部しない?」

「かわいいね!先輩が奢るから遊びに行こうよ」

「これに名前書いてくれればいいから」


など、彼女は引っ張りだこだった。

彼女はあまりの圧におろおろしてしまったので

僕が間に入って止める場面もしばしば


そんなことがありつつ僕らは水泳部についた。


「ん?柊と白木か」

氷川先生は水着姿で竹刀を片手にこちらに向かってきた。

スタイル良い先生の水着姿は目に毒でしかない。

「氷川先生は水泳部の顧問なんですね。」

「ああ、そうだ。

 それにしても意外な組み合わせの二人だな。」

「せっかく仲良くなったから一緒に回ろうって決めたんですよ!ね、白木くん」

柊さんは即答する。

まあ、先生のおっしゃる通り初日から美少女を全面に醸し出してる柊と普通の僕が一緒にいるイメージはないわな。

「は、はいそうです。」

「まあ、いい。

ゆっくり見ていってくれ。初々しいカップルよ」

「ちょ、違います!」

そう言って笑いながら氷川先生は持ち場に戻っていった。


その後少し気まずくなりながら、水泳部を見学してから校舎に戻ると柊さんが服の裾を引っ張ってきた。


「どうしたの?柊さん」

彼女はうつむいてしゃべらない。

そのまま誰もいない空き教室の方に連れてかれた。

僕が戸惑っていると急に口を開いた。


「私と白木くんってカップルに見えるのかな?」


その瞬間、時が止まった気がした。




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おまけ


とある中学生の話


「先輩に帰る時間教えて貰いたいけど、

恥ずかしくてなんて送ればいいか分かんないよ!!」


顔を真っ赤にし学校のトイレの中で誰かに送るメッセージを考える少女


「そもそも、男の人の前で泣くとか私のキャラじゃないしどんな顔をして先輩会えばいいの。」


朝会ったことを思いだしながらまた顔を赤く染める

思わず通学路でガチ泣きしてしまったことを


「それもこれも全部、先輩が悪いんです。

友達として見てないとかホントに酷いです。

私がどんな気持ちで朝待っていたのかも知らないで!」


泣いたり、赤くなったり落ち着かない少女は握り拳を作り固く誓うのだった。


「女の子を泣かせる先輩には

 絶対に仕返しして見せる!

 絶対に先輩に目にものを見せてやる!」


一人トイレで悩む彼女が誰かに向ける感情は

一体なんなんだろうか?



ーーーーーーーーーーーーー

本日はここまでです。


おまけのキャラは未成年ですので名前の方は控えさせていただきます。

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