第8話 後輩は強か
キラ先輩のおかけで元気の出た僕は学校に向かって歩き始めた。
少し早めにきてるので遅刻の心配はないので特に問題はないのだが
「あ!せんぱい」
黒森伊万里
まさか声をかけてくるとは思っていなかった。
「黒森さん、おはよう」
「せんぱいもおはようです。」
ツインテールをぴょこぴょこさせて近づいてくる彼女は控えめに言ってもすごくかわいい。
「今日もせんぱいはかっこいいですね。」
「お世辞でも嬉しいよ。ありがとう黒森さん」
お礼を言うがどうやら黒森さんは不満なようでほっぺを膨らませてる。
「な なにか、失礼なことした?」
「い ま り」
急に自分の名前を呼び出す。
年頃の女の子のことは分かりませんよ。
「せっかく友達になったんですから伊万里って名前で呼んでください!」
「僕と黒森さんって友達だったの?」
そこまで言ったところで異変に気づく
黒森さんは目元に涙を貯めてこちらを見てる。
「仲良ぐなったど思っでるのは私だったんだけでずが?」
少し嗚咽をならしながら涙声で言ってくる。
彼女は僕を騙すために演技をしてるのだろうか?
泣いている彼女を見ていると何が真実なのか分からなくなる。
どうすればいいのだろうか?と思っていると無意識のうちに口が動いていた。
「ごめん、伊万里。
僕も伊万里のことは友達と思ってるだから泣きやんでくれないか?」
「嫌です!」
明確な拒否
それもそうだろう
僕は黒森さんの泣いている姿が見たくないから言ったに過ぎないことを彼女に気づかれている。
嫌われても仕方のないことだ。
「これからも伊万里って呼んで連絡先を教えてくれたら泣き止みます!」
「え、そんなことでいいのか?」
「そんなことじゃないです。女の子から聞かせるとか先輩は意外とドSですか?」
「ち、ちがう」
よく分からないが彼女は僕の連絡先が欲しいらしい
友達として遊ぶためということで会っているのだろうか?
「せっかく友達になれましたが学校も違いますし、今日みたいに偶然会えるとは限りませんから」
「それもそうだな」
二人でRINEと電話番号の交換は特に問題なく終わった。
伊万里の方を見るとニコニコと笑ってぴょんぴょん跳ねていた。
「せんぱいの連絡先~ゲトゲット~」
「嬉しそうだな」
「それは嬉しいですよ~
はじめての友達の連絡先ですよ!」
笑顔で言われると何も言えなくなる。
今回の会話で分かったことがある。
伊万里にとって僕は異性として
認識されてないことである。
それがいいことか悪いことかは分からない。
ただ一つ分かるのはこの関係は僕たちの
どちらかが異性を意識したら終わる関係である。
「先輩、たくさん電話やRINEしましょうね!」
「ああ、そうだな」
ただ、今はこの笑顔を守るためにも
黙ってこの関係を受け入れようと思う。
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