第7話 押しの強い先輩
結局、あんまり眠れなかったな
正直、女の子と話しただけで惚れてる惚れてないで考えてるとかとんだ自惚れ野郎だ。
あの二人にとって、
僕は知り合いの1人になった程度に過ぎないのにこっちが意識すると恥ずかしいにもほどがある。
自己嫌悪しながら母さんたちに挨拶をして家を出る
満員電車つらいなぁ
昨日の今日で慣れるはずもなく
さらに寝不足の影響もあってか気持ち悪くなってしまった。
「君、大丈夫?ここの席に座りなよ。」
少しふらついていると前の席に座っている黒髪ショートカットの女の子が話しかけてきた。
「いえ、大丈夫です。」
「遠慮しない、遠慮しない。」
女の子は少し強引に僕を椅子に座らせた。
「本当にすみません。」
「いいの、いいの同じ高校でしょ!
着いたら起こしてあげるからゆっくり寝てていいよ。」
「ありがとうございます。」
お言葉に甘えて目をつむっていることにした。
少し時間が立ったあと
「次着くから起きて~」
肩を揺すりながら優しい声で起こしてくれたようだ。
電車が駅に着きホームのベンチに座る。
「まだ、ダメそう?」
「少し休めば大丈夫です。」
優しい人なようでわざわざ一緒に残ってくれたらしい。
「先に行ってもいいですよ。」
「だーめ!心配だから残るよ」
思ったよりも頑固な人なようだ
「あたしの名前は
二年生だよ。」
「僕の名前は白木隆二です。
入ったばっかの一年です。」
「やっぱ、一年か~りゅうくんって呼んでいい?
あたしのことはキラ姉ちゃんかキラ先輩でいいから!」
コミュ力お化けかな?
「呼び方は構いませんが僕は合間先輩呼びではダメですか?」
「ダメです!!」
顔の前に手で✕を作り拒否するキラ先輩
「分かりました。キラ先輩この恩は絶対お返しー」
「あーそういうのいいから」
そういうとキラ先輩は頭を撫でてきた。
「よーしよしよし」
「合間先輩、恥ずかしいんですけど」
「キラ先輩!なんかかわいくってつい撫でちゃうわ。」
正直、めちゃくちゃ恥ずかしいし早く終わって欲しい。
「かわいくはないと思いますが?」
「なんかね~こういう弟が欲しかったんだよね。
その点ではりゅうちゃんは100点だよ。」
「嬉しいんだか嬉しくないんだか」
終始押されっぱなしな気がする。
「もう大丈夫そうだね。」
「はい、おかげさまで」
「良かった~
もし、良かったらなんだけど連絡先交換しない?」
陽キャすげぇと若干引きながらも
「いいですけど、突然どうしたんですか。」
「弟の連絡先を知らない姉はいない
これじょーしき。」
「血の繋がりどころかあったのもはじめてですけどね。」
「もうツレないな~りゅうちゃんは~
血の繋がりより絆だよ~」
色々よく分からないことを言ってくるキラ先輩とRINEと電話番号を交換した。
「りゅうちゃ~ん!
連絡したら絶対に返事してよ!
りゅうちゃんからの連絡も待ってるから~」
そう言いながら先輩は輝くような笑顔で改札の方へと言ってしまった。
あんな明るく美人な人の弟になれたら幸せなんだろうな
とキラ先輩の笑顔を思い浮かべて少し口元がにやけた。
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