第5話兎

 「この女にだけは会うな。見つけたらすぐ逃げろ。」

成瀬先生が見せてくれた写真の少女、白い髪に赤く澄んだ目。間違いない。あの夢で見た少女だ。

「ウサギの使い手。名は白山。ウサギだからと言って舐めてはならない。あの子は特に残虐だからね。戦闘能力はもちろん、ヴィオレンツァの頭脳といわれるほど戦略を立てるのがうまい。」

その時、ボスが部屋に入ってきた。

「緊急の命令だ。ヴィオレンツァが動き出した。どうやら白狼の使い手を追っているらしい。」

「俺を?何の目的が…」

「『白狼』の使い手は珍しいの。それに戦闘力が優れている。もううわさが広がったんだ。」

俺がこの世界で特別な存在。

「で、どうするの~?山野君を追ってるなら気軽に彼を出せないんじゃない?」

「ああ。山野は黒田姉妹とこの部屋にいろ。私と成瀬でいく。」

そういって、成瀬先生とボスは出て行った。

「そういえば成瀬先生は何の使い手なの?」

「私たちも知らない。きっとレアなんだろうね。」

ますます怪しい。成瀬先生はいったい何者なんだ。

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彼岸花 めづ @medu_2525

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