第2話初仕事

 成瀬先生がノックする。

「失礼いたします。新人を連れてきました。」

ドアを開くと和装をした若い男が椅子に足を組んで座っていた。

「ご苦労。こいつの承認はもう済んでる。俺が手を出した奴だからな。名前だけ聞こうか。」

「山野です。」

男は紙を取り出し、そこに何かを書き込んでいる。

「紹介が遅れてすまない。私は獅王。此処のボスだ。君は今日からここに所属することになった。」

「ここって、なんの会社なんですか。しかも俺、まだ15だし。」

「そのうちわかるさ。成瀬、君と山野くんに仕事を与えよう。山野くんはまだ新人だから其処まで重い仕事じゃあないよ。単なるネズミ駆除だ。」

ネズミ駆除?二人係でネズミ駆除なんてどれだけ…

「ついてきな新人。外に出るから支度しろ。」

 そうして成瀬先生についていくと、薄暗い路地裏に入った。

「てかもう夜じゃないすか。」

「なにいってんだ。うちは夜に仕事する職業だぜ?昼にネズミがとことこ歩いてると思うのか?」

まあ、確かに。

しばらく路地裏で待機していると、なんだか後ろに気配を感じて振り返った。

「来たか。ネズミだ。」

「え、?」

振り向いた先にいたのは黒い雨合羽を着た男だった。

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