第6話 悪夢

 2016年の12月頃だっただろうか。

 おかっぱ頭に赤い着物を着た日本人形が私の部屋に飾られていた。突然、その人形がニヤリと笑って私に襲い掛かって来た。あまりの恐ろしさに飛び起きる。時間は、深夜二時。


「嫌な夢……」

 

 私の悪夢は、ここから始まったように思う。


 夜中になると、家に侵入者がやって来る。必死に逃げる私。時には熊が家の中に入って来た。あとは、姿形は見えないけれど、何か怖い者がやって来る。そんなパターンの夢を何度も見た。

 次に多かったのは、夫の転勤先の家に必ずお化けがいる夢。広くて綺麗な家なのに、必ず暗い部屋があってお化けがいるパターン。


 更年期になると、眠りが浅くなって悪夢を見るようになるのだろうか。そう思っていた。


 そして2021年2月28日、包丁を持った女が我が家に侵入し、夫を黒い車で連れ去った夢。これもリアルで怖すぎた。思わずブログに書き残していた。


 それから一年一か月後の3月28日に夫が倒れる。


 私が見ていた夢は、ただの悪夢だったのだろうか。

 それとも……



     完



  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る