第7話 リンGO 何処に
工場のドブにりんごが浮いとる。何処に流れて行くんか知らんけど、そのりんごの視点に立とうとしてな、ドブの中を想像しようとする訳なんや。汚な。まあ汚ないわ。なにがおるやらわからん。舐めたら死ぬで。ババチババチ。靴下ベチョベチョや。洗ろて干さないかん。天気のええ日に。
そんな天気のええ日やのに靴下も洗濯せんとドブに落ちたりんごの事ばかり考えて、どうするつもりかわからんよなる。そういえば実際りんごって食べてないな。1個が300円くらいするんとちゃうかな。うどんが食べれるわよな。
誰かが剥いてくれたら嬉しいな。食べるわ。歯悪くても。りんごうまいけんな。
ゆうてな、りんご酢は使いよるんや。普通に料理に使こうたり。まあやっぱり料理には米や穀物の酢のほうがええかもしらん。りんごの匂いするけんな。邪魔にならんかったらええけどな。料理によるわ。
りんご酢と蜂蜜と水で飲んだらええわ。りんご酢ジュースや。水を炭酸水にしてもええわ。
でもな、なんかいっつも酢を多く入れてしもて酸っぱくなるんよな。酢の酸っぱいはキツいな。柑橘の酸っぱいやら梅の酸っぱいとはまたちゃうわ。酸っぱいにもいろいろあるわ。
まあ蜂蜜をケチったらいかんわ。砂糖入れたらええんやけどな。
りんごすりおろしてもええな。カレーに入れるんはなんかもったいない気もするんやが。カレーが強いからな。
ほんわりとりんごの香りがするかしらんけど。
いやまあそのほんわりの香りが料理上手の差というものやとは思うのでありますよ。
焼きりんごとか長いこと食べてないな。穴開けるんよな。開けるやつ家にある。赤い柄なんよな。穴開けてバターやらシナモンやら入れるんや。シナモンやら最初に名前を聞いた時はなんやらわからんかったな。でもあるとないとでは全然ちゃうわ。そうやな。「ほんわか強」くらいあるな。ほんわかには「強」と「弱」があるな。
夕方ももう夜近くなってきて、まだ明るいけど。食べ物のことばかり考えてコーヒーばかりのんでいる。秋の夕暮れの空に、ほんのりピンクになってるうろこ雲。薄青い空に。
りんごは赤いのと青いの。
柿は今年は庭でできなかった。早いうちに、なんかしらんヘタ虫?にやられてしもた。さっさと薬かけといたら良かった後の祭よ。
うちの家の柿、うまいんよ。でももう来年じゃわ。来年、りんご持ってきてくれたら交換するよ。ゆうてもそんな沢山は生らんけどな。
梨。梨はこないだの野外のフリーライブで豊浜の梨食べたよ。うまい。手話コーラスをするお姉さんが剥いたのを持ってきてくれたんよ。
みんな一緒にそのお姉さんにあわせて手話コーラスするんや。楽し。身体伸ばしたりな。ストレッチになって大事よ。気持ちいい。
前みたアニメで貰い物のりんごが沢山有りすぎて困る話があったな。思い出した。
そらようけあってもな、1人やからな。
丁度ええぐらいがええんや。
やっぱりな。
りんごの話ほころび
花びらが風に
亀のことは忘れてほしい
かめのこごろう 詰沢脇市 @flowershit
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