第2話
こ、ここは?
思い出してきた!アイツッ!
いやまてまて、落ち着け……まずは現状確認。
見渡すと、木々が生え、草が生い茂り、鳥のさえずりが聞こえる。うーん、ものすっごい森。
持ち物は……服のみ。よし現状確認終了!
……どうしたらいいの?いや持ち物的に心もとないのもあるんだよ、あるんだけど、目的がない。別になにか使命を渡されたわけじゃないからなー。
こういう時はファンタジーな物語を参考にしよう!念じてみ––
突然頭に物語の情報が流れてきた。
すげー本当に頭に入ってくる。食い気味だったけど。
さっきの情報で分かったのは、ほとんどの物語が最初に冒険者ギルドという場所に行くらしい。冒険者ギルドがあるとすれば街かな?よし、街に行くか。
【世界の歩き方を取得しました】
!?世界の歩き方?頭の中に響いた声がそういったけど、天の声みたいな感じなのかも。実際神らしきものはいたし。内容に関してはまだわからないな。……よし、直にわかるだろう。
私は街を探すべく、もう一度周りを見渡す。
道も人の形跡もなし、手掛かりなし!!終わった-。
私は渋々適当な方向に慣れない足踏みで歩きだした。
歩き始めて5時間が経過した。
おい、あの神は私をいったいどこに転生させたんだー。
あたりを見渡しても変わりない景色……
歩き始めて5時間だぞ!?物語の中ではたまたま近くにあったってのが主流じゃない?人とも会わないし、てか人工物一つも見当たらない。確かに寄り道はしたよ!しょうがないじゃん!うさぎに角だよ?角!気になるじゃん。一時間は追いかけたけど……
ま、まあ今は暇だし、歩きながらもうちょっと詳しく物語の最初を考えてみよう。
だいたいの転生者は転生直後にステータス?って言うのか。
「『ステータス』」
そういや初めて喋ったんじゃね?すげー自分の声ってこんなんだったんだ。意外と声が透き通っていてびっくりした。ってちがう、えーと変わったことはっと、
空中にPCの画面のようなものが浮いていた。そこに文字が浮かび上がってくる。
近未来だ!!すごっ、これどうなってんの!?
えーとなになに?
リラ・メイティス 種族:人間
HP:30 MP:750
スキル:
鑑定 プログラム 世界の歩き方
なるほどなるほど。
MPがHPより多いけど、基準にするものがないから多いのか、少ないのかわからないなー。多分、少ないことはないんじゃないかな?
そして!鑑定!!物語の中ではトップクラスのスキル。これが転生特典ってやつ!?
プログラムは、あまり物語で聞いたことがない、こっちの方が転生特典かな?鑑定は意外と珍しくないみたいな?
世界の歩き方ってスキルだったんだ。プログラムもそうなんだけど、どう使うのだろう?スキルって鑑定できるかな?
【リラちゃん専用スキル!!:プログラム 特殊獲得条件:知恵の神である私が授ける! 説明:魔法を行う手順の仕組みを作れるよー】
なんだこの説明文は?こんなに自由なのか?あの神とやらが書いたようだが。魔法を行う手順を作る……少し考える必要がありそうだなー。
【スキル:世界の歩き方 特殊獲得条件:生まれて一ヶ月内にこの世界の知識を一定数知る。 説明:通ってきたルートとその周辺をマップに示す】
おぉ!!これは便利でしょ。異世界系の物語をいっぱいみたから、その中にこの世界のものと同じような知識があったのかな?
「『世界の歩き方』」
ステータスと同じように画面がでてきた。その画面には地図のようなものが浮かび上がっていた。
あれ?なんか同じところグルグル回ってるところもあるぞ。
あっ、スーッ、深く考えないでおこう。ワタシハゴジカンチャントアルイタ。ガンバッタ。
?
違和感に気づき私は空を見上げる。真っ赤な夕焼け。もうすぐ沈みそうな太陽。太陽と反対側には星が輝いている。もうすぐ夜になるようだ。
……もうすぐ夜になる!?こういうのは夜になると敵が活発化する可能性大じゃない?
まずは火をおこさないと駄目だと思う。
えーとサバイ――
……バル。頭に情報が流れてきたんだけど。さっきもなんだけどね。食い気味で情報を投げつけられてる気分。
気を取り直して、火を起こすには長い枝と木の板などを擦り合わせて、摩擦を作るのが一番有名。
【火属性下級を取得しました】
ん?なぜだ?いきなりじゃない?火のつけ方については考えていたけど……こういう時は鑑定だ!!
【スキル:火属性下級 取得条件:火の原理について少し程度知る。 説明:体から威力の弱い火を出せる】
え!?火を簡単につけれるようになった!?やったー!!
ただ一つ引っかかるのは取得条件とさっきの特殊取得条件の違いはなんだ。まずプログラムと世界の歩き方が特殊取得条件であった。特殊は普通とは違う。火属性下級で書いてあった取得条件の『原理を知る』っていうのが普通?なら普通というならば、この世界にはそのスキルに関連することに知識があれば取得できるということかな?
まだ事例がなさすぎるなー。まぁ、もう少し色々な魔法を取得すればわかることだろう。
うー、頭を使いすぎたか?少し疲れたかもしれない。体がだるいっていうか、瞼が重いな。これは睡眠のよ……ちょう……か……zzz
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