検索【PC 転生後 生き方】

@lafu21

第1話

 カタカタカタカタ

 あるアパートの一室、そこには毎日仕事に追われ、徹夜2日目の男がいた。

「は、ははは、やっと二分の一終わったー」

 一息つき、天井を見上げる。

 仕事が二分の一終わったという達成感とまだ二分の一あるという絶望感で、男は溜息を吐いた。

 その時、仕事に使用していたパーソナルコンピューター、PCが少し輝き始めた。

 幻覚だと思い無視していたが、その輝きは徐々に強くなっていった。無視することができなくなるまでに光を発し、自然と目を閉じた。

「な、なんだ!?」

 数秒後、輝きがなくなったのを感じ、目を開ける。すると男は気づいた。PCが消えていることに。

「え、俺の資料は?」

 現状を全て理解してはいない。だが2日間が無意味になっていることは分かった。

 男はそっと泣いた。




 白い空間で一人の少女がPCを浮かせる。

「おーい、聞こえてるー? あれぇ? こんなことしたの久しぶりだからなー。あっ、そうそう記憶を返さないと!えーと、ふん!!」




 !?

 頭の中に記憶が蘇ってくる。

 そうか私は……パソコンだった。

「お!! おきたねー おはよう!!あなたにはこれから転生してもらいます!!」

 ……

 白銀の髪に身軽そうな白いローブを着こなす爽やかな女の子。だが言っている言葉は、転生?などと物語のような展開になっており、意味がわからない。結果……不審者か?

「不審者じゃなーい!!ふっふっふ、神だよ!!」

 なるほどそういう不審者か。えーと、確か記憶には宗教系の対処法もあったはず。

「だーかーらー、あなたと会話してる時点で、普通とは違うでしょ?」

 確かに、私パソコンだし。

「そう!!君は神である僕に選ばれたのだよ。理由は単純、おもしろそーな特徴だったから!!」

 神ってこんなに適当なの?もっと『魔王退治!!』とか、『死んだ人を輪廻にかえします』だとか、『世界の争いを––!!』みたいなの定番だけど、

「ノンノンノン、今回は特別で、娯楽とは違うよ〜ん」

 娯楽という言葉だけでわかる。完全に適当なやつもあるやん。てか私が挙げたのって娯楽なの!?

「それは輪廻の神とかそいう奴の役目だからねー そういう設定」

 本当に神なのか?『何の神か言ってなかったけど邪の神ね』なんて言われたらどうなるの?

「失敬な!私はこれでも知恵の神なんだよ?まあいいや。そういや、記憶が曖昧だったりしない?」

 確かになにか違和感がある。なんか今までとはちがうっていうか、意識?みたいなのが、記憶はあるんだけど、体感ないみたいな……???

「まあ誤差か……」

 なにが?

「OK!!じゃあ説明しよう!!」

 ポケットから黒板が出てくる。

 某猫型を連想させるが今触れなくてもいいか。

 神とやらは黒板に紙などを張り付けたり、チョークで線を引く。

「物にも魂が宿ってるって聞いたことある?それは本当。君もパソコンだしね。でも物は魂に気づいてない。だから自分で考えるような複雑なことはできない。例外として、元々魂に刻まれた特徴から無意識にうごくことはあるけど。まあそれは置いといて、君は僕の手によって魂を無理矢理気づかせたから、いま考えれるってこと。はい、説明おしまい!!」

 物の魂に特徴……なるほど?わかるようでわからん。

「深く考えなくてもいいよ〜」


「あなたの特徴についてなんだけど、あなた探究心旺盛だったからね。知識が膨大だったんだよ。だがら知識を全部入れちゃたら、情報量で脳が爆発するんだ!!」

 爆発!?私転生早々死ぬ!?

「ダイジョーブ!!君に一つ補助能力をつけたのだよ。それは、『情報を欲しい時にその情報を記憶からだす』というものを発明したのだー!!……まあ本当は聖書『転生の手助け3』で書いてあったけど……」

 私は聞き逃さなかった。少し小さな声だったけど、最後の言葉で全て台無しになった。

「ま、まあいいじゃないか!転生するよ!!

あなたが転生する世界は、剣!魔法!モンスター!そう、ファンタジーな世界で人間のリラ・メイティスとして転生してもらいます!!」

 私の周りを魔法陣が回る。

 ってもっと詳しく説明しろ!!

「だってめんどくさいんだもん」

 コイツッ!許さんー!!」





液タブ買ったのでその話にあったイラストを投稿するときがあります。絵をかくの初心者です。

https://kakuyomu.jp/users/lafu21/news/16817330662045409043

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る