20240602
※『20240104』の続きです。
「あっ……は、はい! 初めまして! 〇〇です!」
「〇〇さま! この度は本当にありがとうございます!」
電話の向こうで頭を下げているのが判るくらい、非常に恐縮したトーンのお声でしたね。
「い! いえ! あの……お忘れ物、お手元に届いたのですね! 良かったです!」と、ついこちらも頭を下げながら
あなたはお礼の『ホウロウキン』を送りたいので銀行口座を教えて……とおっしゃいました。
実はその時、丁度読んでいた雑誌の占いコーナーに『貴女にとって人生が大きく変わる出会いがあるかも!?』とあったので、勇気を振り絞り、直接お会いする事を提案しました。
あなたは戸惑いながらも了承して下さり、次の休日に、私の家からは少し離れた街のカフェのエントランス前で待ち合わせしましたよね。
……お約束の前、数日間は、キタイと不安で、ほとんど眠れませんでした。
『雑誌の占いなんか信じておバカみたい』って思いながらも、どうしてもワクワクドキドキしちゃって……
当日はギリギリまで最大限のお洒落をして、バスでお店に向かいました。
バスに乗っている間も、何度も何度もスマホで前髪やグロスの確認をしたりして
(〃∇〃)
……バスの窓から身を乗り出すようにエントランスを見ると
あなたがいました!
決して美男子じゃ無いけど、優しそうで清潔そうで……2〜3歳くらい年上に見えました。 (実は5つも年上でしたね)
バスを下り、早足で近づくと、あなたはバツが悪そうな笑顔で、深く頭を下げてくれました。
「貴重なお時間に、わざわざご足労いただき感謝致します! この度は本当にありがとうございました。 些少で恐縮ですが、どうかお収めください」
そう言って、ポケットから封筒を出して渡して下さいました。
あなたはニコッと笑って……
「本当にありがとうございました! では……失礼します!」
え? ええ〜〜〜〜!
あなたはもう一度最敬礼して……帰っちゃった〜〜!?(泣)
(続きます)
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