七章 職業
「そうだ。セシリアさんは魔法剣士って言ったけど、他にどんな職業があるのかな? 俺は剣士ってのは覚えてるんだけど、それ以外は思い出せなくてさ」
正確には知らないのだが、この機会にこの世界のことを色々聞いておくとしよう。
「そうですね。戦闘職以外も含めるとなると様々な職業がありますが、戦闘職の代表といいますと……」
一度、困った様な仕草を取った彼女であったけれど、ざっくりと職種を教えてくれた。
まず俺の職業である「剣士系」だ。
『前衛職』と言われていて、スタイルが様々である。
剣や大振りの獲物で敵を磨り潰したり切り割く攻撃型、片手剣と盾を持つ攻防に優れたバランス型、両手にショートソードのような曲刀をもった手数型、片手に小太刀のような物持ち動きで相手を翻弄するスピード型などなど。
この剣士から派生をして「剣闘士」「騎士」「重戦士」などになるらしい。
変わり種だと「槍使い」「盾使い」「武闘家」があるとのこと。
盾に拳と最後の二つは剣士ですらないのだが、気にしたら駄目だろうな……
次に「魔法師系」
『後衛職』だけれど魔法などを使う職とのとこ。
この世界では生まれた時に属性が決まっていて、個々で扱える術が違うらしい。
属性を増やすことは出来ず、生涯を通して生まれた属性のみ扱える。
ちなみに、属性は「火」「水」「風」「土」があって、レアな属性として「光」と「闇」があると……当然だが術の行使には『魔力』が必要となる。
これも個々で内包量が違うとのこと。
魔法師の派生は特殊で「僧侶」「呪術師」「精霊使い」「召喚師」など、魔法関係あるのか? って思われるものになるっぽいな。
ちなみに「魔女」って職もあるらしいんだけど何の冗談だろうか。
次「投擲師」
字のごとくわかりやすい職業で物理による『遠距離職』
名の通り物を投げたりする職業だな。
代表的なのが「弓使い」「狩人」と実は少ない。
派生はえぐくなり「銃士」「狙撃手」「爆撃師」など。
近代化するような職業で、一番少ない職種とのこと。
これはあくまで一部であって全てではない。
後方支援職、生産職や文化職などもあるのだが、俺は興味が無いので今回は深堀しなかったのである。
一番気になっていたセシリアさんの『魔法剣士』は特殊な職業で世界に2人しかいないとかなんとか。
条件はとても厳しいらしく。
――まず「普通の人はなれません!」ってさ。
あと冗談で聞いたのだけど、この世界には魔王がいるんだとさ。
よくあるファンタジーゲームで対になる勇者の存在があり現在はなぜか居ないらしい。
……この世界滅びるんじゃね? っと思ったが敢えて聞かなかったことにする。
「……と言うわけです。フランツさんなにか思い出せましたか?」
「うん? う~ん。これと言って思い出せないな。ごめん」
セシリアさんが振り向き様に聞いてくるが記憶喪失の設定は続行である。
彼女と雑談をしていると長い時間が一瞬で過ぎ去っていく。
気づけば俺たちの眼前には小さな町が見えていた。
「フランツさん、お疲れさまでした! 町が見えてきました。今日はゆっくり休みましょうね」
こうして俺たちは無事に? 町へと着く。
このあと町で起こる騒動に巻き込まれるとも知らずに。
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