暗い日曜日

遠藤みりん

第1話 暗い日曜日

 彼女が部屋から出てこない。

 数日前からだろうか?部屋に入ったきり出てくる様子が無い。

 僕は疲れた両手に真っ赤な花束を抱えて彼女を待っている。


 彼女が部屋から出てこない。

 日の光も届かない暗い部屋。

 物音一つ聞こえてこない。

 僕はすっかり待ち疲れてしまった。

 折角の花束もしおれてしまっている。


 彼女が部屋から出てこない。

 冷たく人が入るには狭すぎる部屋。

 飼い猫も扉の前で鳴いている。

 僕はもう待つ事は辞める事にした。

 花束も遂には枯れてしまった。


 ある日曜日に僕は扉を開いた。

 暗い部屋はすぐに明るくなり冷たい冷気が隙間から溢れ出してくる。

 冷たい部屋ですっかり冷え切った彼女が目を見開きそこに居た。

 長い間僕らは見つめ合った。


 機械的な警告音だけが静かに部屋に響いている。




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暗い日曜日 遠藤みりん @endomirin

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