第4話 除霊師になった!ついでに銀髪ロリカメラマンもゲットだぜ!
サインをねだってきた子は東郷 綾子という子らしかった。
「ありがとう!ユラリン」
サインをしてやるとすぐに走ってった。
まさか俺がサインすることになるとは思わなかったな。
筋肉さんが口を開く。
「じゃあ次に行きマッスルよ」
「次?」
「ここでは由良さんみたいなのは除霊師って呼ばれることになるっす。でランク付けがあるんすよ除霊師にも」
まさかと思いながらも俺は聞いてみた。
「それってAランクとかBランクとかって?」
「察しがいいっすねその通りっす」
あ、やっぱそういう感じなのね。
「それでとりあえず由良さんの除霊師ランクを測定したいわけなんすよ」
「ふーん。なるほどなー」
「スマホ出してください」
「ん?」
急に話題が変わったのでどういうことか一瞬分からなかった。
「これからの行動は配信してもらっていいっすから。むしろ配信してほしいんすよ」
「え?どうして?」
「除霊師は今まで秘密の存在だったんす。理由は怪異なんてものの存在を認めてしまえば国民に動揺が広がるから、なんすけど」
「俺の昨日の配信がバズって隠しきれなくなった?」
「その通りっす。だからもう日本国は怪異の存在を認めることにしたんす。認めた上で、自分らがどういう仕事をしているのかを知ってもらいたい。そのために配信して欲しいんすよ」
なるほど。そういうことがあったのね。
「分かりました」
俺はスマホを出して配信を開始することにした。
タイトルは適当に付けた。
一瞬で視聴者が増えていく。
今までに見た事のない数字が出ていた。
(すげぇ、これが登録者100万人なのか)
そう思いながら見ているとさっそくコメントがついた。
"怪異討滅委員会?!"
"こんなのあったんだなぁ"
"てか怪異なんていたんだなwww"
そんなコメントがついていた。
俺も正直昨日のこと無かったら怪異なんて信じなかっただろう。
色々思うところはあるけど歩き始めた筋肉さんについていく。
筋肉さんが話し始めた。
「ちなみになんすけど除霊師は国家資格っす。公表はされてないっすけどね」
"国家資格?!"
"すげぇ資格なんだなぁ"
"簡単に取れる?俺もなってみてぇ"
"国家だから無理だろwww"
そんなコメントがつく中筋肉さんは語る。
除霊師になるための条件とかいろいろ。
でも俺には関係ないので聞き流しながら歩いていく。
するとひとつの建物に着いた。
それはまるで中世ヨーロッパ風の建物なかんじ?
ひとつだけ毛色が違う。
そしてその建物だが、いわゆるゲームや漫画のギルドみたいな形をしているように思う。
「ここが除霊師ギルドっす」
(あっ、そうなのね)
筋肉さんの言葉に頷く。
"ギルドキタ━(゚∀゚)━!"
"ギルドwww"
"出たwww"
コメント欄はそんな感じだった。
俺と筋肉さんは中に入っていく。
筋肉さんがカウンターに向かうと受付嬢にこう話した。
「新人の由良さんっす。除霊師としての測定をお願いしマッスル」
ニッコリ笑った受付嬢。
ゴトッ。
机に水晶を出てきた。
"出た水晶www"
"なんで水晶なんだろうwww"
そんなコメントがつく中俺は受付嬢に聞いた。
「手を置けばいいんですよね?」
「はい」
ニッコリ笑ってそう言われたので俺は水晶に手を置いてみた。
すると水晶の中が黒く濁った。
「適正ありですね」
そう言って彼女は書類に字を書いていった。
少し待っているとやがて何かを渡してきた。
その何かは見るとすぐに分かった。
「除霊師カードです無くさないでくださいね」
受け取ってどんなカードなのかをみてみる。
名前:由良 拓也
ランク:S
とだけ書いてあった。
見せても良さそうなので名前だけ隠して配信にカードを映してみた。
"うはwww"
"まるで異世界だな"
"てかユラリンは当然のようにSランクwww"
"八尺様殴り倒したんだから当たり前だよなぁ?!"
"八尺様ぶん殴りチャンネルのユラリン"
そんなコメントが続いていく。
俺はカードをしまって受付嬢にさらに説明を聞くことにした。
・
・
・
説明もほとんど異世界ものの漫画やゲームのようなものだった。
あぁいうのと違うところがあるとすると、指定クエストというものがあるらしく、それは筋肉さんによって個々の除霊師に送られることになっており。
それは必ず受けて欲しい、とのことだった。
(ノルマ的なあれなのかな。まぁ月4000って考えたら当然なのかな)
倉庫にいた頃じゃ考えられない額に身震いする。
もろもろの手続きも終わったことだしカウンターを離れると声をかけられた。
「よっ。ユラリン」
そちらを見ると東郷 綾子が立っていた。
手には
(剣を持ってるのか?これ。さっきまで持ってなかったのに)
まさか、怪異を殺すための?道具なんだろうか。
そんなことを思ってると東郷さんはこう言った。
「いっしょにクエスト行ってみない?報酬は分配でさ」
そう言って彼女はスマホの画面を見せてきた。
そこにはこう書いてあった
【
場所:T県T市
難易度:不明
報酬:9000万
「9000万?」
額の大きさに驚いたしリスナーも同じようだった。
"両面宿儺?!"
"マジであるんだなあのミイラ"
"うぇー、こえーwww"
そんなコメントを見ながら俺は東郷さんに聞く。
「同行してもいいのか?」
「もちろん。行く?」
「行く!」
と、その時だった。
配信に異常なコメントが出てきた。
メリー:私メリーさん。今あなたの後ろにいるの。今から殺します。
そのコメントが見えた瞬間だった。
パシっ。
誰かが誰かの腕を掴んだらしい。
そんな音だった。
それから
「い、いだいだいだいだいだい!」
ペタン。
誰かが俺の後ろで座り込んだ音が聞こえた。
振り返るとそこには白いワンピースを着た女の子が座り込んでた。
俺に手を伸ばそうとしてそれを筋肉さんに掴まれたらしい。
「わ、私メリーさん。今あなたのうしろに来たの(プルプル)でもピンチなの」
震えてた。
それを見て筋肉さんが口を開く。
「それ以上この人に近付けば、消えマッスル。やめとくのをオススメしマッスル」
プルプル震えてるメリーさんが可哀想に思えた時だった。
すっ。
筋肉さんが俺になにかを渡してきた。
それは首輪だった。
「それは怪異を捕獲するアイテムっす」
「捕獲するアイテム?」
「要は怪異をテイムするって言えばわかりマッスル?」
「そ、そんなのあるんですか?!」
こくっと頷いた筋肉さん。
「怪異に人権なんてありはしませんよ。なのでウチでは危険ではない低級怪異をテイムして奴隷のように働かせてマッスル」
とんでもない事を口にした筋肉さんを見て俺は察した。
「これを首につければテイムできると?」
「えぇ、やってみてくださいっす」
そう言われて俺はしゃがんでメリーさんの首に首輪を付けてみた。
「こ、これでいいんですか?」
聞いてみるとにっこり笑った筋肉さん。
「えぇ、テイム完了っす。なんか命令してみてください」
俺はそう言われてすぐにこう命令した。
ずっと1人で行動してたから欲しいと思ってたんだよね!
あれが!
「スマホ渡すからカメラマンになってよ」
「私メリーさんカメラマンになります!」
スマホを両手で持って俺の方にカメラを向けてきたメリーさんだった。
こうして俺はヤンデレ銀髪ロリカメラマンという属性もりもりの合法奴隷を手に入れた!
あと、ここまでは正直不審に思ってたけど、突然現れたメリーさんへの対応を見てこの人達ほんとに怪異殺しの名人なんだなって思った。
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