第12話 亀爺さんになりました。
季節の変わり目は、雨が続く。爺様は、変わらず、庭の草むしりに精を出す。さて、僕は、何気に外を見ていて、とんでもないのを見てしまった。うちの爺様。寒くなってきたのか、やたらと電源やライトにこだわる。赤く光るのは、特にそう。何とか、消そうとし、消し方を僕に聞いてくるが、何度、説明をしても、浸透しない。理解できない。まあ、仕方がないでも、今、僕の目の前を横切った者は、一体なんなんだろう?亀仙人?なんで、どうして?との思いがいっぱい。と言うのは、爺様。ゴザを背中に背負いながら、通り過ぎたのだ。
「爺様!」
雨が酷いので、蓑傘のつもりなのか?だとしたら、爺様の年齢は、幾つなのだ?爺様が、生まれた時代に、雨ガッパは、あったはず。なのに、どうして、雨を避けるために、ゴザを背負い紐で、縛るのか?雨の中、草をむしる必要性はあるのか?
「あぁ!」
タイミング悪く、横切る爺様を兄が、見ていた。
「亀仙人!」
確かに、見えなくもない。爺様。だんだん、僕は理解できなくなってきた。その姿で、近所を歩かないでほしい。明日の学校の話題になるから、爺様。お願いです。
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