逃亡者アロウ

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　それすなわち、その広大な面積からしても、移民は木星や土星までで十分である。という事実の裏付け、証明にもなろう。

　『進出』といっても、まだ技術的に最高レベルとは言い難く、また資材の運搬費用等を考えるに、天王星や海王星、そして本星ほど遠くにまで、わざわざ足を伸ばす必要もないからだ。

　だけに(問題点が多く移民がなされていない水星、金星を除く)土星までがリィツやルーレ他、地球の各国によって分割統治されている一方、上記３星には『国家』というものが存在しない。

　国連が纏めて管理しているのが現状である。

　その状況を変える…つまり上記３星の発展は、さらなる技術の発達に伴う、移民の安全性の確保ならびに、その予算が十分に取れる日が来るまで待たねばならないだろう。

　さておき、その旅客船やフェリー等の到着時こそ、わずかに活気を見せるステーションを離れてから、小一時間ほど。

　尚、この草原の長き一本道をゆくアロウの目に、一軒のモーテルらしき看板が見えてきた。