〝満月〟の月。


──────都輝くんと別れてから数時間。




仕事で遅い、

両親の帰りを、待たずにご飯を食べてから。




『夜、開けといて、』




都輝くんのその言葉通り、

自分の部屋の窓の鍵を開けた私。




久しぶりの感覚に、ドキドキと高鳴る胸。




絶対、顔が真っ赤だっ‼︎




そう思って、ベッドの上で、

うつ伏せになって、顔を隠していると。




「よぉ、めぐ」




私の名前を呼びながら、

〝開いた〟窓からやってきた都輝くん。




「.........ぅ、都輝くん、」




ゆっくり、名前を呼びながら見たところで。




「.........なに、寝起き?かわいー、」




私と至近距離でぶつかる視線と、

〝かわいい〟なんてズルい言葉。




でも、自分が、

可愛くないのも自覚してるから............




「っ、か、かわいく、ない、もん、」


「寝起きの次は、ツンデレ?

今日、〝満月〟の月だけど耐えれるかな、」




都輝くんに言葉を投げれば、

意味深な言葉が返ってきた...............




それから、子供の頃のように、

2人で見た〝満月〟の月はとても綺麗だった。




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