〝久しぶり〟の会話。



「.........っ、ぁ、ぁ、ぁの、」




都輝くんに引っ張られるがまま、

校門を出て家の方向に歩く私たち。




途中、何度か声をかけても、

気づいてくれてない様子の都輝くん。




そのままの状態で、

あっという間に着いた、私たちの家の前。




「.........さっきから、お前、声ちっさすぎ」


「.........ぁ、ぅ、ぁ、ご、め、ん、なさい、」




都輝くんを怒らせてしまっていたと思って、

視線を合わせずに謝ると。




「.........はぁ、なんで謝るわけ?

そーいうとこも含めて、めぐじゃん」




ため息を吐いたかと思えば、

〝めぐ〟って久しぶりに呼ばれた名前。




「......っ、都輝くん、は、優しい、から、」




そんなこと言ってくれるのは、

ずっと、都輝くんだけだった。




「......ばーか。誰にでも優しくはねーよ、」




都輝くんはそう言って、

クシャっと笑ってから、私の頭にポンッと手を置くと。




「夜、開けといて、」




〝久しぶり〟の会話が出来ただけで、

私は嬉しかったのに、もう1つの言葉をくれた。







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