〝たぶん〟間違い。
『やっと、晃良ちゃんと話せたから。
今日は、俺、手加減する気ないからね』
右近圭一くんのその宣言通り、手加減なしで、ドキドキさせられっぱなしだった私。
「............ぅ、ぁの、もう、ここで、」
私がそんな声を出した場所は、学校の目の前。
本来ならお別れする場所なのに............
離されず握られたままの、〝左手〟
左近晃良の〝左手〟と、
右近圭一の〝右手〟が握られている状況。
ドキドキが収まらないから、
早く手を離して欲しいのに............っ。
「晃良ちゃん、俺のこと、名前で呼んで?」
手が握られたまま、
ふわっと耳元に囁くように落とされた言葉。
それは、
〝たぶん〟間違いじゃないか?って。
そう思うような言葉。
今まで、
接点なんてなかったのに............どうして?
そう思っていると、読み取ったように。
「間違いなんかじゃないよ、
俺はずっと、晃良ちゃんが好きだから」
私の耳に届いたのは、
真っ直ぐな右近圭一くんの言葉。
いつも、反対方向に帰ってたから。
交わったり、
巡り合うハズのない、私たち2人だったけど。
これからは、
〝右〟と〝左〟が交わる予感がした。
fin.
〝たぶん〟間違い。 二宮みぃ。 @2nomiya_mi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます