第2話 部活体験

 レクリエーションが終わり、バスケ部の見学をすることになった。

「先輩!」俊介が声をかけたのは、バスケ部の先輩。二年生の男の先輩だった。

「この子が今日体験する子かな?名塚蓮介です、今日はよろしくね」

「よろしくお願いします。えっと、黒峰幸斗です。俊介とは幼馴染です」

 身長が高くて僕との体格差もすごくて、びっくりした。

「幼馴染なんだ、こいついつもマネージャーのことばっかみてるから、ちゃんと練習になってるか黒峰くんもみててくれない?」

 マネージャー……綾瀬さんのことばっかみてるんだ……。

「わかりました……」

 少し気分が落ち込んだ。どんな顔して綾瀬さんをみてるのか、俊介の顔をみてみる。

「俊介、練習はじまってるよ」

「あ、あぁ」ぎこちない返事、恥ずかしそうに綾瀬さんのことを見ていた。

「俊介!マネージャーばっかみてないで、練習ちゃんとしろーー?ったくあのバカは……ごめんね黒峰くん、俺と練習しよう」

 嫌、なんて言えるはずもなく名塚先輩と練習することになった。

「お願いします」

 練習が終わり、次は試合をすることになった。「今から練習試合やるからチーム分けはいつも通りで、黒峰くんは1回試合見てから参加でいいかな?」顧問の先生、坂本先生。担当教科は数学でバスケが上手い先生。

「それでお願いします」

俊介がどんなプレイをするのかじっと見ていたら

「俊介くん上手だよね、みててすごいって思っちゃう」

綾瀬さんが話しかけてきた。

「そうだね、上手でかっこいい、名塚先輩も上手で僕もあんな風にできるかな」

話していたら俊介がゴールを決めた、かっこよくてドキッとした。

「俊介くんナイスゴール!」

俊介が嬉しそうに綾瀬さんの方をみて笑っている。普段僕には見せない笑顔、当たり前か。

「名塚先輩も頑張ってください!」

柄にもなく先輩を応援してしまった。先輩がこっちを向き

「ありがとう黒峰くん、俊介に負けずに頑張るね」

俊介が不満そうにこちらを向いた

「俺のことは応援してくねーの?」

こういうときだけズルい……。

「俊介も頑張ってね!……ばーか」

「頑張るわ!さんきゅーな!」

照れくさそうに言ってしまったのがバレないか心配になった。

「次から黒峰くんチームにいれて、試合やるよーー!黒峰くん、1回目は俊介と同じチームで、2回目は名塚のチームで試合してみようか」

「はい、よろしくお願いします」

1回目は俊介と同じチーム、ちゃんとできるかな

試合開始の笛がなった



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

好きなのは。 啄木鳥無名 @kibou_yuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ