ネットミームと胡散臭い人々に塗れた、楽しく怖い怪異モキュメンタリー

信頼も共感もできない主人公が冒頭からヌードル亭麺吉味があったのだが、中盤でちゃんとそこが拾われて笑ってしまった。
リン田フォン太郎等の他の登場人物のすっとぼけた名前(HN)、キャラクターもかなり良い趣き。記録だけで描くモキュメンタリー風なのに何人ものキャラクターが立ちまくっていて、そのほぼ全員が胡散臭くて楽しい。
そんな中で怪異だけが真摯に世界を浸食してくる。そのおかげでネットミームで描かれる登場人物たちの胡散臭さの向こうの生々しさが味わえる。なんJ民かMURを意識したか、みたいな話方をするアイツはとくに生々しく感じた。
楽しくて怖いのは良い。