第8話
次の日、レストランに行くと、秋山くんの姿が無かった。「あの、秋山くんは?」私は恐る恐る店長にきいた。「あー、彼ね。さっき、退職届を持ってきてね。何か事情があって、やめるみたいだよ。」と店長。拍子抜けした。しかし、昨日帰り際に「さようなら、」と言っていたし、もうやめる気だったのかもしれない。「そうですか。」正直、彼がいなくなってほっとした。これでいつもの日常が戻ってくる。店長だけが「なぜなんだ、何が不満なんだ。」と悔しがっていた。
私はいつものようにレストランの仕事を終え、帰っていた。夕日も山の中に帰っていく。どこかから涼しい風が吹いてくる。すれ違うおじいさん。いつもの帰り道。そのときビューっと強い風が吹いた。
うわっ・・・
「秋山くん?」
気が付いたら彼の名前を口にしていた。もしかしたら、と思った。もしかしたら、秋山くんは自然の妖精か何かだったのではないのだろうか。
風に乗せる歌 甘夏みかん @na_tsumi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます