第6話
帰ろうと思っていると秋山くんの様子がおかしい。どうしたの?ときいた。今日は電機事件のあとは問題なく普通に出来ていたのに。「あのっ僕!佐々木さんのことが好きなんです!!」と秋山くん。驚いたというよりやっぱり、という気持ちになった。彼は「この気持ちをもう抑えられなくて、その・・・僕と付き合ってください!!」と続けた。私は「ありがとう。」といった。
だけど、私は秋山くんの気持ちに答えられない。悪いけどこんな変な人とは付き合いたくないし、魔法なんていらない。付き合うなら、普通の彼氏が良い。そっちのほうがよっぽど安心できる。冷たいかもしれないけど、これが私の本音だった。「ごめんね。」と彼の告白を断ろうとした。その時、彼は「うっうっ・・・そんな。」と泣き始めた。私はやばい、と思った。何かが起きる。その時、突然どこかで雷が鳴り、大雨が降り始めた。風もびゅうびゅう吹いている。さっきまで晴れていたのが嘘のような変わり様だ。みんな「うわー!」「ひどい雨だ。」などと言っている。私は慌てて「分かった。付き合うよ。」と言った。「ほんと?」その時、雨が止んで、またカラッと晴れた空に変わった。それだけじゃなく、店内の照明がピンクに変わり、お店の中なのに花びらが散り始めた。「なにこれ。桜の花びら?」「さあ、わかんない。」さらに秋山くんは「嬉しい!佐々木さん、大好き!」というとハグしてきた。どうしよう、私、秋山くんのこと別に好きじゃないのに。ほんとにこれで良かったのかな。
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