第103話:アカネの再挑戦



 無事に?


 二次会を終え。


 ひと息。



 大きく汗もかいたこともあり、再度、お風呂へ。


 ただ、今回は。


「お母さんと入る……」


 珍しく、アカネが恥ずかしがり。


 当然と言えば、当然とも言える。


 さすがに。


 直後でもあり。



「どうだった? って、聞かない方がいいよね……」


 身体を洗い流した後、母と二人、湯舟でのんびりと。


「んー……すごかった、としか?」

「まぁ、初めてだし、ね」

「うん……初めて見たけど、想像してたのより、ずっと、すごかったなぁ……最後のも、あんなにすごい勢いとは思ってなかったよ……」


 母と娘。


 女同士。


 それ自体には、恥ずかしさも少ないが。


 つい先ほどのうたげのひと時を思い出せば。


 身体が火照り、顔が赤くならざるを、得ない。


「まぁ、これも慣れだからねぇ……慣れすぎると新鮮さが無くなるのもあるけど」

「ふむふむ……だから色々工夫してる、と?」

「うんうん……さ、雪枝さんと雪人くんも待ってるし、あがろ」


 美里とアカネと入れ替わりに、雪枝と雪人がお風呂へ。


「いや、これ、一緒に入る意味、ある?」


 風呂に入ってから気付く、雪人。


 ある意味、先程のうたげの余韻で、まだぼぅっとしているためか。


「時短時短、節約節約ぅ」


 あれしきの事では、とばかり、呑気にまだまだ元気な、母・雪枝。


 先ほどもそうだが、息子とのスキンシップが嬉しくてたまらない。


 そして、その息子が、愛する人の娘と、ある意味、結ばれた、記念すべき、日。


 まだ完全に結ばれた訳ではないが。


 確実に、一歩は前進したと言える。


「雪人はぁ、やればできる子、なんだから……」


 その息子の身体から汗を洗い流しながら。


「これでぇ、もっと、ぐいぐい、行ける、よねぇ?」


「あはは……どう、かなぁ?」


 母に身体を洗われながら。


 ついぞ、先程のうたげを脳裏に反芻してしまえば、身体が反応してしまう。


「まだスるんだったらぁ、同意書書いてぇ、今度は二人でヤってみるぅ?」


 母には、お見通し。


「あ、アカネにも、相談しなきゃ、だし……」


「アカネちゃんもぉ、きっと、ねぇ……」


 

 当のアカネは、と言えば。



 リビングで、母とお風呂での会話の、続き。


 プチ、反省会。


 最後フィニッシュの処理方法に課題があった、との美里の指摘。


 美里から、最適な処理方法について、生々しい指導レクチャーを聞いていたところに、雪人と雪枝がお風呂から戻って来る。


「アカネちゃぁん、雪人がぁ、まだ物足りないってぇ」

「言ってないよっ!?」


「あ、アカネも再挑戦リベンジしたいって」

「いっ、言ってないよっ!?」


 母達のペース。


 巻き込まれる、子供達。



 百合の母達が、子等に、恋、願う、夜。




 美里が指摘する、『最後の処理』について。


 雪枝も話を聞いて同意。


 雪枝と美里の母二人から、息子娘の二人に、指導レクチャー


 どちらかと言えば、娘の方の役割が大きい。


 アカネとしても、『最後の処理』に心残りがあり。


 結局、九と六の同時処理の場合、処理に集中できなくなるデメリットがあるため。


「ここは単独Bの七で落ち着いてやるようにした方がいいわね」


 と、美里のアドバイスにより。


 三次会の、準備。


「お母さん達はお母さん達二人で楽しむから、二人も独力でがんばってみなさいな」


 と、美里の指示で。


 同意書を再作成。


 雪人にしても、もはや、嫌々ではなく。


 それほどまでの、衝撃インパクトのある、実体験を経て。


 ある程度の期待を胸に。


 署名サイン


 ただし、今日はもう、夜も遅い上、慣れない行為に緊張もあり、お疲れ状態のため。


 明日、母達の居ない日中に、と、日時を指定して。


 今夜のところは、それぞれに、それぞれの想いを胸に。


 おやすみなさい。



 明日は。




 『セイなる夜クリスマス





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