第91話:夏休み後の計画



 夏休みの終わりに近い頃から始まった、アカネと雪人の『同意書』に基づく『行為』の、ある意味、練習レッスンは駆け足に。


 前夜に数枚の『申請書』を作成して母達の了承を得た上で、翌日の日中にその行為を実践する日々。


 少しづつ、少しづつ、でも、駆け足気味に。


 雪人の、アカネのレベルアップを急ぐ。


 実際に始めてみて分かったが、アカネの側も『自分から積極的に行う行為』と、受け身で『自分がされる行為』の感覚の差異ギャップに少し戸惑いがあるため。


 アカネもまた、慣れる必要がある。


 夏休みが終わってしまえば、練習レッスンに割ける時間も限られてしまうため、夏休みの今のうちに、と。


 それでも、まだ『着衣』でBの前半が関の山。


 しかし、やはり。


 『習うより慣れろ』


 もちろん、事前の、万全の知識準備も必要とは言え。


 大事なのは、机上の空論よりも、現場での実際の経験。


 同じ事柄でも、繰り返し、繰り返し、反復し、その感覚を身体で覚える。


 意識の無意識。刷り込んで、馴染ませる。


「はぁ、はぁ……いいよ、雪人くん。力加減もだいぶ馴染んできた感じだよ」


「そ、そうかな?」


 日中、母達が仕事で留守の間は。


 リビングのソファで二人。


 二枚目の行為に終了時刻を記入しながら。


「明日から二学期、かぁ……」


 夏休みの最終日。


 宿題は早々に終わらせてあるため、焦る必要はない。


 母からの宿題についても順調、と言えるが。


「時間のある内に先々の予定を例の表で確認して、どのくらい前倒しできてるか、確認しておこうか」


「……やっぱり豆だねぇ、ウチの旦那さんは」


 早速。


 雪人の部屋のパソコンで。


 母達が作った四半期単位の予定表を雪人が月単位に置き換えた表を確認。


「っと、前に作ったのがこの表で……」


―――――――――――――――――――

    ▼

  Y1         2

  Q12  3  4  1  2   

  M6789ABC123456789

CP:       ※1    ※2 

A壱:・■■■

 弐  □□□■■■■■■■■■■■■

B壱:    □□□■■■■■■■■■

 弐        □□□□□□■■■

C壱:             □□□

 弐        

―――――――――――――――――――


 パソコンの画面を二人で覗き込んで、表を確認。


「あぁ、ずいぶんと前倒し、出来てる感じね?」

「うん。今の状態と、そこからの続きの予定を書き替えると……」


 雪人がパチパチ、カタカタ、と、マウスとキーボードを操作。


「こんな感じ、かな?」


 修正箇所は◆マークで表している。■は元の予定。


―――――――――――――――――――

     ▼

  Y1         2

  Q12  3  4  1  2   

  M6789ABC123456789

CP:      ※1 

A壱:・■■■

 弐  ■■■■■■■■■■■■■■■        

B壱:  ◆◆◆◆◆■■■■■■■■■

 弐       ◆◆◆◆◆◆◆■■■

C壱:             □◆◆

 弐        

―――――――――――――――――――



「これで見ると、やっぱりかなり前倒し出来るね。Bの弐が、十二月からかぁ……理由は?」


 雪人が修正した予定表を確認するアカネの疑問。


 雪人の考えは、と、言うと。


「冬休み、と言うか、クリスマス……」


「おぉっなるほど、セイなる夜かぁっ! だったらもう、一気に、Cまで行っちゃいたいところだけどっ!?」


 前のめりなアカネに対し、雪人は。


「無理無理、無理無理っ! そこは元の通りに来年の夏休み目標で……」


「むぅん……」


 まぁ、いいか、と、アカネは思う。


 Bの弐が順調に進められれば、おそらく雪人も途中で『我慢できなくなる』に違いない、と。


 そうなれば、そうなってくれれば。


「むふふっ、まぁ、それでもいいかな?」


「??」



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