百合の母達が子等に乞い願う・ピュア

第51話：謎のどくろカップル

「雪人くん、これなんかどう？」

　平日ではあるが、午前中授業のため、午後からショッピングモールへ。

　水着の、買い出し。

　先に、雪人の水着を見よう、と、メンズ売り場へ。

　アカネが提示する、一品は。

　ブーメラン。しかも、ワンショルダー。

「無理無理無理無理無理」

「えー、かっこいいじゃん」

「普通のやつでいいよ、普通のやつで」

「これも普通に売ってるけやつなんだけどなぁ」

「いやいや、いやいや」

「ん、まぁ、しょうがないか……じゃあ、このどくろマークのやつで」

「……どくろマーク、気に入ったの？」

「うん、まぁ。なんとなく？」

　真意は定かではないが。

　アカネの中では、どくろマークのパンツになにがしかの思い入れが生じているらしい。

「まぁ、いいけど……」

　アカネが雪人から『借りた』パンツが、どくろマーク。

　雪人もどくろマークが嫌いと言う訳ではないらしい。

　結局、アカネの勧めもあり、どくろマークの海パンに決定。

「んじゃ、次、わたしの探そうっ！」

　メンズ売り場から、レディース売り場へ。

　これがまた、ランジェリーショップにも似て、雪人にとっては敷居が高いのだが。

　アカネに腕を取られて、強制連行。

「ううっ……」

　これならまだ、女装して来ればよかったか？　と一瞬、後悔するも。

　しかしまだ、やはり日中、堂々と表で女装するのは、それはそれで憚（はばか）られる。

　仕方なく、アカネにお付き合い。

「これなんかどうかなぁ……これもいいなぁ……」

　などなど。いくつか候補をフィッティングして。

「もっと悩殺できるのでもいいけど」

「頼むから、やめて……」

　雪人の意見も聞いて。

「これにしよう！」

　雪人も賛成できる、お気に入りを見つける。

　一応、上下別（セパレート）だが、雪人たっての願いもあり、わりと布面積多めで、可愛いらしさのあるデザインのもの。

「お揃いで、どくろマークがよかった？」

「女の子向けでしょ？　無いよ、そんなデザイン……」

　少し探してみたが、やはり、置いてはいない、どくろマーク水着。

「ん？　ちょっと待って」

　スマホを取り出して、ぽちぽち、アカネ。

「あった……」

　さくっとネット通販で見つかる、どくろマーク水着。

　一応、セパレートで布面積もやや多めなので、雪人のお眼鏡にも叶うか？

「これ、ほら」

　スマホの画面を見せられた雪人も。

「あるんだ……」

　ちょっと驚いた。

　ここでは雪人のメンズどくろ水着を購入。

「ぽちっと」

　アカネは、通販サイトで、ポチる事に。

「いや、何？　どくろカップル……？」

　何やら。

　この夏。

　謎のセンスが爆裂する、怪しげなカップルが、誕生？