第49話:雪人が思い描く近未来



 雪人は、美里から例のWBSのデータを自分のPCに転送してもらい。


 四半期単位で分かりにくいプロセスを、月単位に展開してみた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『雪人ちゃんオオカミ化計画WBS』

    今

    ▼

  Y1   2   3   4

  Q1234123412341234

CP:   ※1※2 ☆   ★

A壱:・■

 弐  □■■■■■■■■■■■■■■        

B壱:  □■■■■■■■■■■■■■

 弐    □□■■■■◎◎◎■■■■

C壱:     □□□■   ■■

 弐:        ■■■■★ ■■

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   ↑↑↑↑↑↑

ちょうど、前半のこの部分。今年一年と来年の前半までを、月単位に変換してみると。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ▼

  Y1         2

  Q12  3  4  1  2   

  M6789ABC123456789

CP:       ※1    ※2 

A壱:・■■■

 弐  □□□■■■■■■■■■■■■        

B壱:    □□□■■■■■■■■■

 弐        □□□□□□■■■

C壱:             □□□

 弐        

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ちなみにMは月。横軸のAは十月、Bが十一月、Cが十二月である。


 縦軸のAはキス。B、Cは、推して知るべし。


「当面は自然にキスが出来るようになればいいって感じかな」


 本格的になって来るのは、『※1』のB壱開始と、その準備期間。


 その意味では、十月から。


「夏休みから、休み明けまではいいとして……」


 その後の工程を考えると、若干、気が重い。


「母さんから貰った『教本』も読み込むしかないかぁ……」


 ざっと目を通したところでは。


 二巻がちょうど、母達の作った計画プロセスに近い。


 その内、デートやキスはすでに済ませているので、残り半分程度が、この一年で目指すべき指標に合致している。


 いずれにせよ、気も重いが、頭も痛くなってくる。



 ただ。



 興味が全く無い訳ではない。



 その意味で母達が考えてくれた『ひとりの部屋』は本当にナイス。


 実際には、アカネの協力も必要になってくる部分もあるが。


 ひとりで想像シミュレーションするには、ひとり部屋の存在は大きいだろう。




 もう一つの課題としては。


 現状、女装することで心理的負担を軽くし、自然にキスができるようになってはいるが。


 母達やアカネの言う通り、いつまでもそのままと言う訳にも行かない。


 普通の……男子の状態で、自然に出来るようにならなければ。



 その一方で。



 女装。


 女子の格好をする事そのものが楽しくなっている自分にも気付いてしまっている。


 深夜のコンビニとは言え。


 完全にバレてはいなかったと思われる。


 日中。


 普通の状態でも試してみたいな、と。


 思わなくもなくもない。



 若干。



 やばいな、とは思いつつ。


 とりあえず。


「髪、伸ばそ……」





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