第21話:思春期レッスンA・B・C(アニメ版)


 母から十八禁アニメのブルーレィをプレゼントされ。


 何事かと、母を問い詰めようとした雪人。


「ちょっと、真面目なお話、しましょうか」


 母の招きで、二人の母の寝室へ。


 母二人に挟まれ、ベッドの端に座る雪人。


 母が問い、雪人が答える。


「雪人……アカネちゃんと結婚して、子供を……私達の孫をってお願いは解ってくれてる、よね?」


「うん」


「じゃぁ、子供はどうやって出来るか、どうやって作るか、知ってる?」


「それは……」


「恥ずかしい事じゃないのよ? とっても、大事な事」


 雪枝が息子の肩に手を回して抱き寄せる。


 母に抱かれた息子が、一瞬戸惑うも、小さく答える。


「たぶん……仕組みは、理解できてると、思う、よ?」


「そう、じゃあ、実際に、作れると思う? 作る工程を実践、出来る?」


「それは……」


「恥ずかしい事じゃないのよ? とっても、大事な事。正直に答えて?」


 雪人は逡巡した後、ゆっくりと答える。


「……多分、難しい、と、思う……」


 うんうん、と、雪人の回答に首肯する母。


 脇で実の母子おやこを見守る、もう一人の、母も首肯する。


「どうして、難しいと思うの?」


「それは……」


 言いあぐねる雪人に代わって、雪枝が答えを宣言する。


「触れたら傷付けてしまうんじゃないかって考え過ぎて、自分から触れるのが怖いんだよね?」


 母の言葉を受け止め、自分の中の感情と照らし合わせて、雪人は結論付ける。


「……そっか……多分、そう、だと思う……」


「女の子は……女は、ね」


 もう一人の母・美里が反対側から雪人の肩を抱き、口を挟む。


「好きな人に触れられてもぜんぜん嫌じゃないよ」


 その美里の言葉に、雪枝が息を継ぐように、言葉を継ぐ。


「ちょっと触ったくらいで簡単に傷ついたり壊れたりしないから」


「むしろ、大好きな人にはいっぱい触れらてたいものよ」


「アカネちゃんが雪人に抱き着いたり、キスしたりするのはそのアピールね。それと……」


 雪枝は一瞬、言葉を区切り、件のブルーレィのパッケージを手に取って続ける。


「やり方もよく解ってないでしょ? だから、でやり方のお勉強する必要もあると思うの」


「でも、それって十八歳未満は観ちゃいけないもの、でしょ?」


「んー、やっぱりそう来るかぁ……真面目なのも考え物かしら?」


「そういう問題じゃないと思うけど?」


「しょうがないわね……えっと……」


 雪枝が一度、雪人から離れ、ベッドから立ち上がって棚にある物を手に戻る。


「じゃあ、こっちでどうかしら?」


 雪人に手渡された、それは、三冊の文庫本。


「これって……」



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