『美味しいメロンソーダの秘密3』
場所は学食、そして目の前には三つのメロンソーダ。
作り方は、メロンシロップを炭酸で割る。
「まさか、かき氷のシロップを炭酸で割っているとは思いませんでした」
「それもシロップと炭酸が、6/4くらいの割合ね」
「だから、味が濃くて、炭酸が薄かったのか」
「でもこの方法なら、イチゴソーダとかも作れますよね、どうしてメニューにはないのでしょうか?」
「それは、いちご練乳ばかり売れてしまったからよ。二人とも、沢山食べたでしょ?」
「毎日食べました!」
知ってる。お昼ご飯の代わりに食べてたのも知ってる。
「あたしなんか、一日二杯食べてお腹壊したことあるな」
「それは、自業自得としか言えませんけど––––大事なのは、反対にメロン味のかき氷はそれほど売れなかったってことなの。なので、メロンシロップが余ってしまったのよ」
メジャーなかき氷の味と言えば、いちご味とメロン味だと思う(もちろんブルーハワイも忘れていないが)。
だが、イチゴ味の方が人気で、そちらばかり売れてしまったため、メロンシロップが大量に余ってしまった。
なので、かき氷シーズンが終わった後に、大量に在庫を抱えたメロンシロップを消費するため、メロンソーダの販売を開始した。
これなら、秋からの販売になったのも分かるし、ドリンクメニューがメロンソーダだけなのも、自販機にあるのに販売するのも頷ける。
「舌が緑色になるのも、メロンシロップで作っているからよ」
「やはらひほひにはるふはね!」
井斉先輩はまたまた舌を出しながら、喋ったので何を言っているのかは分からなかったけれど––––唯一分かるのは、今日の生徒会の仕事が全く終わっていないということである。
現実は、メロンソーダのように甘くはない。
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